内容説明
悪女舟虫の計略にはまり、管領扇谷定正に捕えられた犬塚信乃。扇谷は信乃を使って八犬士の残りをおびき出そうとしていた。救いに現れた犬飼現八も捕まってしまう。一方、鎌倉の町では関東管領扇谷が安房の国里見義実を打ち滅ぼそうと戦の準備を進めていた…。『南総里見八犬伝』の大胆な解釈のもと、大人気を博した伝説の人形劇。その脚本家が書き下ろした完全小説版の最終話を収めた全四巻完結巻! (解説:京極夏彦)
一 現八山賊と間違われ、謎解きの機会を掴む
二 断崖の下に左母二郎、風雲急なり丹後半島
三 洞窟に響く骨の歌声、謎は謎を呼ぶ経ケ岬
四 外国人(とっくにびと)の亡霊現れ、遂に怨の珠の謎解決
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十五 蜘蛛の糸を食う小犬、道節を導いて薬師堂
十六 管領着々と戦の準備、富山に詣でる七犬士
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※本電子書籍は、二〇〇七年ブッキング(現・復刊ドットコム)より復行された『新八犬伝 中の巻』『同 下の巻』を改題したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sibarin♪
25
あー終わってしまった。怨霊を鎮めるためにゝ大法師そんなことしたっけ? 記憶にない。…八人の犬士達、お人好しで騙されたり海で溺れかけても伏姫様も役行者も見捨てない、遠く出羽の国までどうやって行く?間に合わないぞと思いきや まさかの役の行者の不思議な力。最後に八犬士達は球に乗り 行ったっきりか戻るのか…さすが『結』どんどん進んでアレヨアレヨと言う間に読了。九ちゃんの黒子の語りもこれで 結。2017/08/10
agtk
7
転・結と一気読み。読みながら、坂本九さんの声と辻村ジュサブローさんの人形で脳内再生された。「閑話休題」とか「因果はめぐる糸車」とか名調子だったなぁ。「我こそは玉梓が怨霊」はみんなで真似をした。犬塚信乃と浜路が大好きだったので、ラストシーンはジーンとしたのを思い出した。小学生の時のことなのに覚えているものだ。読んでよかった。2017/06/03
はーこ
5
人形劇は見ていませんが、この本(以前は3冊)は兄か姉が買ってもらっていたらしく家にありました。兄姉は人形劇みてましたし。 そのため、この小説版は何回も何回も読んでおりまして、私の中の八犬伝はこれなんですよね。 ああ、人形劇版も見たい。2017/08/16
garyou
4
やっと親兵衛が登場して、でもすぐに物語は終わる。この巻ではとうとう父の仇を討った道節がしかし虚しさを覚え、この世の地獄を作り出すのは力や権力を持った者だと悟った親兵衛はひとたびは侍を捨てようと思う。そんな中、さもしい網干左母二郎にもいいところがあったりしてちょっと和む。「新八犬伝」も録画が見つかったりするといいのにな。2017/08/15
長老みさわ/dutch
4
1話15分とはいえ2年間464話に及ぶ長編人形劇を文庫本4巻にノベライズ(重金碩之) リアルタイムで夢中になっていた身には「玉梓が怨霊」の操演やテーマ曲・エンディング曲がまざまざと甦るような絶妙なノベライズだが、このノベライズを読んでもおよそ映像化しようとは思えないところがこの人形劇のすごさだったと思う。 ざっくり削ったエピソードもある気がするけれど、それにしても素晴らしい語り口であった。2017/06/06