講談社学術文庫<br> 新版 平家物語(二) 全訳注

個数:1
紙書籍版価格
¥2,013
  • 電子書籍
  • Reader

講談社学術文庫
新版 平家物語(二) 全訳注

  • 著者名:杉本圭三郎【訳】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 講談社(2017/05発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062924214

ファイル: /

内容説明

「おごれる人も久しからず」――権力を握った平清盛の専横は、平氏一門の運命を栄華の座から滅亡へと転回させる。東国の源氏が決起し、頼朝追討の平家の大軍は、富士川で敵前逃亡。ついで木曾義仲も挙兵し、平家に危機が迫る。そして清盛は、自らの体で湯が沸くほどの熱を発して、ついに――。かつて刊行された講談社学術文庫『平家物語』全12巻を4冊にまとめ、新版として刊行。第二巻は巻第四から第六までを収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

44
平家滑落が見え始めましたが、まだ序盤と言って良いでしょう。清盛が熱病で倒れ、平家の行方に暗雲が立ち込めているように思えました。2023/04/22

やいっち

44
琵琶法師が語り聞かせる話で、一般にも分かるし、親しめるように書いてあることが本文で察せられる。今の我々には難解でも、当時の人々には聞きなれた言葉を敢えて使って、語調を整える。且つ、耳馴染みのエピソードを時間的な齟齬も気にせず、ドンドン採り入れ一層、楽しめるように工夫されている。吾輩のような素養のないものでも、本文を読んでいるだけで分かったような気になるから不思議である。感想など野暮だろう。楽しめばいいのだ。2019/09/12

Tai

16
月見、新都の福原に移った人々は月を見るために様々な月の名所に赴く。遷都を批判しつつ、朝敵は必ず滅びるという観念が体制を維持してきたとし、頼朝は院宣を受け官軍に。伊豆に流され頼朝の背中を押す尋常でない僧、文覚。都では鵼も跋扈し、相国入道の小督への仕打ちは相変わらず非道、やがて炎も迸るほどの高熱で死去。浜の砂(まさご)にたはぶれつつ、むなしき土とぞなり給ふ。 東、北、西で源氏が蜂起した中、平家はなお昇進し、徳子は建礼門院に。滅びに向かってまっしぐら。2021/01/27

spica015

5
正に世も末、虚しさが付きまとう。以仁王の謀反、頼朝の挙兵と平家討伐のムードに包まれる中、熱病により病死する清盛。歴史的事実ではあるが、この清盛が退場するタイミングと理由がなんとも皮肉。中国故事や和歌を引用しつつ、戦や悲恋の場面が描かれ、文学性の高さが表れている。「物怪之沙汰」「奈良炎上」に世の混迷ぶりがよく出ている。福原遷都はやはり失敗だったか。それにしても権力を奪われ、捕らわれ、早死にする天皇家の人々の不憫さよ…。2018/04/03

眉毛ごもら

3
厳島行幸から横田河原合戦まで。以仁王挙兵、頼朝蜂起、富士川合戦、奈良の焼き討ち、高倉院・清盛の死去と盛り沢山である。刀好きには以仁王の挙兵後に源頼政の鵺の話で獅子王が出てくるのがポイント。華やかで横暴だった平家一門に反乱する動きが出てきてそれを防ぎきれなくなってきたのが破滅フラグの萌芽か。園城寺と奈良の炎上が仏罰としてダイレクトに清盛死去に結び付けられ熱病で苦しんで死ぬという物語上の構成となっている。その中で頼朝の首を供えろという清盛の強さを最期まで見せつけてくるのは圧巻。以降辛い展開多いので覚悟しよ。2022/03/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11761705
  • ご注意事項