内容説明
雪弥と気持ちを通わせた香乃は、これから築いていく関係に戸惑ってばかり。さらに雪弥の父母への葛藤、香乃の自分の力に対する思いなど、課題は山積みだけど、花月香房(かげつこうぼう)は今日も営業中。贈り物の香木、行方不明の仏像、送り主不明のひな人形、源氏香図で書かれた暗号など、香りにまつわる謎が次々持ち込まれて……。鎌倉を舞台に、香りで紡がれた物語、堂々完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
121
シリーズ完結編のため、読み終えるのが勿体なくて、なかなか手をつけられなかった。完結編だけに過去の懐かしいキャラクターも登場し、懐かしく思いながら読了。今回の香りのミステリーは源氏香で、知らない世界を楽しむことができた。特に最終話は雪弥の父親への思いがまどろこしいが、切なく辛かった。しかし二人の会話やアクションには笑えて、このほのぼのした雰囲気に癒されてしまった。続編がないと思うと悲しい。2020/10/15
山本真一郎
105
読了。シリーズ5冊目にして無事に完結。正に行間から香りが漂ってくる様なミステリ。前巻で雪弥が無事に花月香房に戻ってきた事もあって、また日常の謎に戻ってゆるゆると物語が閉じられるのかと思いきや流石にそうはならず、やはり最終的には香乃も含めて主人公二人が自身の存在意義を取り戻すまでを描く必要があったのかもしれないと感じた。読みながらじんわりしてしまう話が殆どなのでいつも通り読む時は少々気を付けなければいけなかった。日常の謎テイストのまま更に物語を続けて欲しい気もするが、この辺りで閉じるのが花というものだろう。2017/03/23
ツン
97
4巻に比べて静かな展開の5巻だけど、とても満足。319ページの謎解きに衝撃を受けました。。彼の苦悩の一番はそこだったのね。。と。雪弥くんは香乃ちゃんに本当に救われたと思う。2022/02/07
harupon
94
シリーズ5完結編。図書館予約の順番7か月かかった。ほんわか微笑ましい雪弥と香乃。こういうストーリーが好きです。読んでいてニタニタしてしまいます。雪弥の父親の件も知ることができた。雪弥が「生まれてきてよかった」「…生んでくれてありがとう」と通話している相手は、母親と察する。けど、「…生まれたら、教えてください。名前も」ってどういう事?犬とか猫の話??みなさまのレビュー参考に読みに行きます。2021/01/19
のんき
87
シリーズ完結編でした。シリーズが終わってしまうのは寂しいけど、完結編もとってもよかったです。恋愛には、不器用な香乃と雪弥。でも、香乃と雪弥の二人なら、困難にあっても、乗り越えていけるし、助けあっていけると思います。これからも、ずっと一緒でいてくれたらなあ2017/06/29