内容説明
将軍家光は、長引く島原の乱鎮圧のため、老中松平伊豆守に討伐の命を下す。不穏な気配は江戸にも漂い、辻斬りが横行。藩内に和蘭陀商館を持つ平戸藩江戸家老は、幕府の疑念を逸らすため、斎弦ノ丞らを辻番に任命し、江戸の治安を護る忠誠心を見せようとする。だが、弦ノ丞は任務初日に剣戟に遭遇し、政争に巻き込まれていく…。藩の窮地を救うため奮闘する辻番達の活躍!
目次
第一章 江戸の夜
第二章 西方騒乱
第三章 策の成否
第四章 新旧相克
第五章 届かぬ敵
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゴンゾウ@新潮部
112
3代将軍家光の時代。関ヶ原から20年泰平の世が始まろうとした矢先、遠い九州島原で起きたキリシタンによる一揆。幕府が禁止したキリスト教徒の反乱は幕政にも大きな影響を及ぼす。その責任をどの藩が背負うのか。遠い江戸でも陰謀が。泰平の世を迎え武士の価値が問われようとした背景を絡ませてよく描かれていた。【ナツイチ 2017】2018/05/26
いつでも母さん
92
いや~作家も大変だなぁ。各出版社で作品を発刊するのだから。既に書いたものと被らぬものが良いのだから・・で、上田作家、辻番と来ましたか!ふむふむ、な~るほどって感じで読了しました。三代将軍・家光の世において、キリシタン問題をを絡めてお家断絶の危機を背負い、人を斬った事等無い家臣・弦ノ丞が先輩と共に成長(活躍)するのが、ちょっと新鮮で良かったかな。幕府、江戸上屋敷、国許・・どれも『人』なんだ。丁度TVから伝わる証人喚問や稀勢の里の感涙、高校球児の連続再試合を見てこちらも『人』嗚呼、複雑なり・・2017/03/27
とし
72
辻番奮闘記「危急」 1巻。主家が断絶し行き場が無くなくなり辻斬り、強盗など凶悪な犯罪に及んだ浪人の取り締まるため 武家地の治安維持にあたった辻番、ちょっと変わった役どころの主役の松浦藩斎弦ノ丞、幕閣と関わる話と辻番ちょっとギャップを感じるが、弦ノ丞の成長を楽しみに。 2019/10/12
扉のこちら側
62
2018年206冊め。家光の時代、遠く島原でのキリシタン一揆の責任問題からの江戸でのお家騒動。他家のことには口出し・手出しできないルールがここまで徹底されいることや、町方役人の上下関係等新鮮に読めた。肝心の辻番の活躍は思ったより少なかった気がする。2018/06/23
サケ太
13
江戸時代。徳川家光の治世。改易される各藩。増える牢人。江戸の治安は悪化。武士地警備の為に設置された番所、辻番。阿蘭陀商館を有する平戸藩は、天草での乱に際し、幕府からの疑念を逸らすために新たに辻番を設ける。そこに配属された剣術に優れた若者、斎弦ノ丞。彼は任務初日から隣の松倉家前で剣戟に遭遇する。それは多数の人物、御家の思惑が絡んだ政争に巻き込まれる序章であった。これ一巻で完結し、かつ内容は事情のわからないまま事件に巻き込まれミステリー的ではあるが読みやすい。小藩の生き残りを賭けた戦い。これは面白い。2017/03/23
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