内容説明
三代将軍家光は、島原の乱鎮圧後、島原藩松倉家を潰した。牢人となった旧藩士たちは、松倉家と隣接する平戸藩松浦家へ狼藉をしかける。苦慮した松浦肥前守は、再び斎弦ノ丞を辻番に任命し、家の安泰を図ろうとする。一方、将軍“御成”の栄誉を巡り、松平伊豆守ら重臣の権力抗争が激化。この“御成”を狙う企みを知った弦ノ丞に密命が下るが…。藩のため奮迅する辻番たちの活躍!
目次
第一章 乱の残り火
第二章 蠢くもの
第三章 それぞれの思惑
第四章 百鬼夜行
第五章 存亡攻防
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
80
辻番奮闘記「御成」2巻。将軍御成に、松倉藩お取りつぶしになった旧藩士、藩主が謹慎を命ぜられた寺沢藩、幕閣中枢の権力争い町奉行の思惑に、松浦藩安泰のため藩命が辻番頭とはいえ降格人事斎弦ノ丞に下される。辻番なのであまり表にはでれず活躍するも少し物足りなさを感じる作品でした。2019/10/13
サケ太
14
大分前に読んだ作品の続編だったのに、非常に読みやすい。島原の乱の二年後。その余波が未だに見える江戸。平戸藩松浦家は、再び斎弦ノ丞を辻番に戻す。三代目将軍、徳川家光の“御成”を機に起こる騒動。消えた辻番。赦しを得るため。それぞれの思惑が交差し、序盤、中盤と溜めに溜めての終盤の戦闘。解説がスーッと入る。現代の問題とそれに対する回答も提示されている素晴らしい作品。2018/11/09
Atsushi Kobayashi
13
ちょっと、おもろい。主人公の設定が、交番のおまわりさんみたいな状態で、どこまで話が展開できるか?です。2018/10/22
蕭白
6
シリーズ2作目。他のシリーズほど主人公の色は強くないが、終盤にあった、嫁との会話は良かったです。2019/11/26
イの字
4
島原の乱の原因を作った藩政と対応の不手際により、取り潰された松倉家。その 松倉家の旧藩士達への対処のために斎弦ノ丞が辻番への復帰を命じられる。▼松平伊豆守の元への将軍家光の"御成"に際して、遺恨を晴らそうとする松倉家の旧藩士達。また、藩主が謹慎を命じられた寺沢家の家臣達の策謀。そして幕府重臣達の権力争い。これらの動きから家の安泰を図るため斎弦ノ丞が奮闘する。▼島原の乱が幕府や諸藩に与えた影響の説明は盛り上がりに欠けたが、後はもう本を閉じる事が出来ない。時代小説は上田秀人にトドメを刺す。早く続きが読みたい。2019/01/20
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