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内容説明
経済成長を情報成長ととらえ、経済学にネットワーク科学を組み合わせたアプローチの、「経済複雑性指標」なる予測力の高い手法で注目された、WIRED誌「世界を変える50人」に数えられた気鋭の研究者が説く、斬新な切り口で「成長」を理解するための科学解説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
情報複雑性指標に比べてGDPの低い国は、この指標に見合う国と同程度のGDPに収束する。著者のこの予測は確度が高いと評判となった。天然資源と人間の想像による製品を区別した本書では、枯渇に向かう天然資源が少なく枯渇しない想像による製品生産の多い国ほどこの指標が高いとされる(2015年まで日本はこの指標で1位だった)。が、グローバリズムで増大した製品生産も脱グローバリズムで国家第一主義へ舵を取る現在ではやや不透明だ。一方、バラバシに師事した著者は、宇宙における情報成長という壮大な観点からこの指標を作ったという。2020/01/30
ゆき
8
一筋縄では理解できないが、なんとか読了。難しかったが、あとがきまで読み終えてみて、書く側の苦悩があふれているところまで読めてよかったと胸をなでおろす。2017/09/29
デューク
8
「想像を結晶化する能力こそ、人類と他の種とを隔てる特徴だ」。そう語る筆者による、情報と経済活動の根本原理。 木になるリンゴと、iPhone に記載されているリンゴマークの根本的な違いは何か。ジェット旅客機のような複雑な製品を生み出せる国が限られているのはなぜか。などなど、情報と経済活動という観点から、この世界の根本原理を探る一冊。一読しただけで全てが理解できる本ではない。だが根本や本質の確かな手ごたえが、知的好奇心を最大限に刺激し、ページを繰る手が止まらなくなる一冊。いちおし2017/09/25
magic makky
7
【感想】経済を記述する方法の一つは、経済資本、人的資本、労働などの生産要素に分解するもの。もう一つは、エネルギー、物質、情報という観点から分析するものがある。これらを結びつけるための要素として、集団レベルで蓄積される知識やノウハウがあり、これこそが経済活動に多様性や洗練を与えており、著者は経済複雑性と呼んでいる。経済を今までのように生産要素だけで見るのではなく、経済複雑性の観点から見ていく必要があると提案している。(ん〜ん!難しい!)2021/08/19
Hiroo Shimoda
5
経済成長とは情報の成長であり、情報が集まり秩序が形成され「想像の結晶化」が起こると説く。企業の成長も知識とノウハウをネットワークにより拡大するもの、という説明は非常に納得感がある。日本企業の苦戦も日本的ものづくりというノウハウ・知識が競争企業にも広まったことが大きいのだろう。2019/04/13