内容説明
「会社を辞めて、これからどうするつもりなんですか?」リストラ面接官として村上真介が今回対峙するのは――鼻っ柱の強い美容部員、台湾に身売りした家電メーカーのエース研究員、ペースを狂わせる不思議ちゃん書店員。そして最後にクビを切られるのは、なんと真介自身!? 変わりゆく時代を見据え、働くこと=生きることの意義を探す人々を応援する人気シリーズ、旅立ちの全四話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はたっぴ
113
遂にお気に入りのシリーズが終わってしまった。〝あなたにとって仕事とは何ですか?〟この作品のテーマについて考えながら毎巻リアルな設定に一喜一憂してきたが、あとがきから、著者が将来の社会を見通して計画的にシリーズを重ねてきたことを知り、その先見性に感銘を受けた。昨今のコンプライアンスに関する会社の本音と建前には辟易するし、毎週金曜日を待ちながら仕事するのも勿体ない。自ら発想の転換をするべき時期にこの最終巻を読めて本当に良かった。『未来は常に不確定。死ぬまでずっと連続した、一つの通過点でしかない。』に深く共感。2016/11/15
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
107
有りそで無さそなリストラ代行業シリーズ第5弾。遂にこのシリーズともお別れ。最初の頃は「リストラ」が前面に出ていたけど、次第に「あなたにとって仕事とは何か?」「働くことの意義は何か?」を問うことが多くなってきた。勿論生きていくため、日々の糧を得るために働いているのだが、それだけではつらい仕事は乗り切れないし、虚しい。ここに書かれていることは、小説だから綺麗事の世界ではある。だが、自分がそこに存在することの意義というものをもう一度見直してみたいと思えた作品。シリーズ最後に五つ星です。★★★★★2016/11/17
ゴンゾウ@新潮部
101
シリーズ最終巻。働くことの意義を問われた。初期の作品に比べて踏み込みが不足して物足りなかった。最後は真介が職を失い新たな人生を模索する。本来ならもっとシビアなはずなのに余裕がありすぎ。最終巻にしては、、。 垣根さんのあとがきでは考えさせられることが多々あった。100歳まで生きる時代を迎え社会参加し続ける準備をしなければならない。2018/03/04
sayan
95
2年で1冊ペースで執筆された「君たちに明日はないシリーズ」の最終巻。足掛け10年だけれども、読み始めたのはつい1年前から。登場人物の背景は、シリーズ1から比べると自分だけの都合ではどうしようもない、つまり複雑化してきている。それが、世相にマッチし非常にリアリティがある。なかでも「モノづくり」企業に勤める40代のエンジニアとその父親のやりとりはとても示唆的だった。何のための研究か、そして、俯瞰できる社会を成熟した健全な社会と結論付けた父親の心情が考えされる。また時間を空けて1巻から改めて読んでみたいと思う。2018/04/15
hatayan
87
リストラ請負人の真介が活躍する『君たちに明日はない』シリーズの5作目にして最終巻。最終章ではシリーズに登場した人物の「その後」が描かれます。 「あなたが育った環境、学歴。他人と比べてなぜ引け目を感じるのです?」 「年代に応じて本を読み返すたびに新しい発見や感じ方があるように、本当にいいものは最低でも10年経たないと良さが見えてこない。」 「職業も暮らす環境も含めて、今は常に暫定仕様。むしろその無情を意識して過ごすことに意味がある」 揺れ動く働き手の心に寄り添う言葉を受け取ることができる一冊でした。2019/03/31
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