内容説明
清和会(現・清和政策研究会)は、安倍晋三首相が後継者であることを自認する祖父・岸信介元首相の十日会(岸派)を源流とし、大蔵省主計局長出身の当時の自民党の領袖・福田赳夫を中心に一九七九年に結成された。
一九七二年、田中角栄と福田がポスト佐藤栄作を争う激しい派閥抗争いわゆる「角福戦争」が勃発した。闇将軍・田中角栄から竹下派(経世会)による政治的差配が、一九七〇年代前半から一九九〇年代にかけて長く続き、清和会は傍流に追いやられる。
しかし、二〇〇〇年に森喜朗が政権の座に就くと、その後、同派閥出身の小泉純一郎が圧倒的支持を集めて小泉旋風を巻き起こす。郵政民営化に象徴される「聖域なき小泉改革」のその実は、経世会の利権潰しにあった。その後継に安倍晋三、福田康夫が政権の座に就き、四代続けて総理を輩出し、自民党最大派閥となる。
民主党からの政権奪取を経て、人相までも祖父・岸信介に似てきたと言われる安倍首相が目指すのは、安保改定とその先にある自主憲法制定である。皮肉なことに、日米安保改定をなした岸元首相が退陣に追い込まれたのは、怒れる若者たちが安保改定阻止に胎動した「六〇年安保闘争」に起因する。半世紀以上の時を経て、国会前に集まる「怒れる若者たち」の空気と行動は酷似している。
五人の総理・総裁を輩出した現代の自民党最大派閥「清和会」の深層に、森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫の総理経験者をはじめ自民党最高幹部の証言インタビューから迫る、政界ノンフィクション!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Honey
8
今まで政界などというものに、あまり興味はなかった方だけれど、昨今ニュースを見たり本を読んだりて、諸外国の、特にアメリカの政界のことなど、少し見えてきたような気が。ところで、日本はどうなっているの?と思い、読んでみました。 (なるほど、森さんって、結構親近感持てる感じ?ww) 政治家同士が、どういうことで接点を持ったり離れたりするのか、とか、少しわかってきました。 そして、安倍総理。第一次安倍内閣では、いいひと晋太郎お父さんの遺伝子が前面に出て、今はちょい?ワル岸信介の遺伝子で頑張っておられるらしい。2019/08/11
やす
2
小泉首相が凄すぎたんだ・・・・としか言えない。インタビューを基に書かれている部分が多いのでドキュメンタリー番組を脳内再生しながら読む気分だった。2016/03/04
okadaisuk8
2
安倍晋三首相の所属する自民党最大派閥・清和会について、人間くさい派閥争いを広げた角福戦争から、小泉氏台頭を経て、最近の安保法制や戦後談話に至るまでを振り返る。すぐに読めるし、ありがたい。ちと全体的に森喜朗氏に良く書かれ過ぎのような気がするが(笑) 2015/11/30
湘南☆浪漫【Rain Maker】
1
馳浩も所属。 ここ最近首相を連続して送り出しているので、プロレスでいうところの新日本かな(笑)2019/07/02
ゆきまさくん
1
岸信介を源流とし、自民党初の総裁予備選敗北後に福田赳夫によって作られた清和会。 田中派~竹下派につながる経世会主流の時代には傍流だった。 今や森首相以後4人の総理・総裁を輩出する最大派閥へと変貌を遂げた経緯がわかる。 この派閥の栄枯盛衰、毀誉褒貶はどの組織にもあてはまるんだと思う。 清和会は果たして、次なる総裁候補を育て上げることができるのか。2018/09/04
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