創元推理文庫<br> 定価のない本

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創元推理文庫
定価のない本

  • 著者名:門井慶喜【著】
  • 価格 ¥850(本体¥773)
  • 東京創元社(2022/10発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488433130

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内容説明

神田神保町――江戸時代に旗本の屋敷地としてその歴史は始まり、明治期は多くの学校がひしめく文化的な学生街に、そして大正十二年の関東大震災を契機に古書の街として発展してきたこの地は、終戦から一年を経て復興を遂げつつあった。その街の一隅で、ひとりの古書店主が人知れずこの世を去る。男は崩落した古書の山に圧し潰され、あたかも商売道具に殺されたかのような皮肉な最期を迎えた。古くから付き合いがあった男を悼み、同じく古書店主である琴岡庄治は事後処理を引き受けるが――直木賞作家である著者の真骨頂とも言うべき長編ミステリ。/対談=門井慶喜×岡崎武志

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

129
「銀河鉄道の父」や「地中の星」などで楽しませてくれた、門井さんの戦後直後の神保町を舞台とした古本屋にまつわるミステリーです。主人公の古本屋の同業の人物が本の下敷きになって死んでしまうところから始まります。その死の原因を占領軍の将校から探ることを命じられます。その間にさらに古本(特に日本の古典)を蒐集することも命じられます。その背景と結果は読んでお楽しみというところです。当時の古本屋業界のことをよく調べられている気がしました。2025/01/04

ナミのママ

75
昭和21年GHQ占領下の日本。神田神保町で古書店主が倒れた書籍の下敷きになって死亡した。…本好きにはなんともインパクトある始まり、キーワードは『古典籍』『古文書』。個人的に得意でないこれらだが「のこるものでなく誰かがのこすもの」にはドキッとした。日本の歴史・文化をめぐる古書店の人達とGHQの、もう一つの戦争とも言えるやり取り。読み進めるにつれて、もしかしたら実際にあったのかも?と思わせる筆力。登場する気骨のある店主も魅力的だった。2022/11/17

夜長月🌙新潮部

68
【神保町本】ミステリーですが古書街神保町の歴史が興味深かったです。物語は戦後の古典籍(江戸時代もしくはそれ以前の歴史的書物)を巡るものです。神保町の興隆は関東大震災後に始まります。関東の研究機関、大学、役所などで資料が消失し、一式揃えなおすことになります。ここで関西などで買い揃えて古書として販売したのが神保町の古書店でした。2023/01/22

優希

52
神田神保町の歴史を見ているようでした。2023/02/17

活字の旅遊人

44
回想の形をとるがメインの舞台は戦後の神保町。言わずと知れた古本街で起きた死亡事故。いや、事件? というところから始まるミステリー。徳富蘇峰や太宰治が出てくるところも含め、話はなかなか面白い。おそらく時代考証もしっかりやっているのだろうが、言葉使いのせいか、現代もののように読み進めてしまうのが僕には残念。しかし、敗戦国日本の歴史・文化をしっかり守りたいという願いは尊い。その点この話の結末は爽快だが、明治以降の文化流出はやはり根深いよ。エジプトと仏英との関係に言及しているところなどは説得力あります。2023/04/05

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