内容説明
残業をすればするほど取られる税金が増える「時間外労働税」が導入された。残業時間は劇的に滅って、社会のありようは変わりつつあった。だが、もっと働かせたい企業も残業したい労働者も多く、サービス残業という「脱税」は絶えないのだが……。根っから真面目な残業税調査官と熱血労働基準監督官が働く人たちのために奮闘する、リアルすぎるお仕事ミステリー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けぴ
51
残業すると税が労使双方に課されるという架空の物語。とはいえ、ブラック残業を理解するのに良いテキストかも。管理職は残業代が出ないと言われるが、実際には経営にかかわる場合のみが管理職。管理職は出勤時間に自由度があり、人事採用権があり、他の職員と比べ明らかに多い報酬を得ている場合をさすようです。名ばかり店長が管理職でないのは明らかですね。学校教育の場で教えるシーンで終わるが、実際の教育現場でも必要な知識でしょう。みんなが知識をつけたら社会が回らなくなるからわざと教えないのかも(^_^;)2019/12/12
pontax
43
最近ほぼ定時に仕事が終わる。そんな中、仕事帰りの本屋で目に留まったこの本。コミカルな表紙のメガネの彼が主人公だろうか…なんて思いながらレジへ。『職責』この言葉は働く者が重んじるべきものだと思う。全うすることによる苦悩と貫き通す信念。人は信じることをどれだけ貫けるのか?それは自身だけでは無理なのかも知れない。元妻の思いと娘の無垢な言葉が胸を打つ。さぁ、明日も仕事だ。前を向いてやっていこう。2019/11/13
sayan
41
思わず目に入ったド直球なタイトル「残業税」。実際に働き方改革など議論は続いている中でいったいどんなストーリーなんだろうと手に取ってみた。税金が絡むだけに「トッカン - 特別国税徴税官 - (高殿円)」的な展開かと思いきや、税務と労基コンビが繰り広げるタイトル通りの「直球」な短編物語集。今まさにトピックになっている内容、例えば技能実習生や漫画家などなど、非常に興味深いと同時に色々と考えさせられる。短編それぞれに登場する人物と仕事に対する向き合い方にリアリティを感じる。次作も是非読んでみたいと思う。2018/03/26
ジュール リブレ
31
昨今流行りの 働き方改革に因んで読んでみました。働きすぎはやっぱりよくない。どこかで聞いたような事件が、実は小説の中には既に起きていて、同じ悲劇が繰り返される。そんな、悲しい世の中にならないように残業税。案外、わかる気がする。2017/03/13
rabbit
27
残業したらしただけ税金が取られる世界の話。仮にこうなったら、日本人はかなりの人が脱税になるのでは。サービス残業が当たり前になっている企業、かなりあると思う。残業代ゼロ政策の話も出ている中、興味を持って読めた。自殺してしまった女性の件も、過労死した事件の件と被った。2018/04/25
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