内容説明
武芸の達人や妖術使いたちなど,宋江をはじめ108人の豪傑が,梁山泊を根城に弱きを助け強きをくじいて大活躍する.『三国志演義』『西遊記』などとともに,長年にわたって中国と日本で愛され親しまれてきた,中国四大奇書の1つ.
目次
目 次
一 洪太尉、百八の妖魔を逃がすこと──物語の発端
二 王師範、罪をおそれて東京の都を逃げだすこと
三 九紋竜史進、暗夜に華陰県を逃げだすこと
四 魯提轄、げんこ三つで鎮関西を打ちころすこと
五 花和尚魯智深、五台山で大あばれすること
六 花和尚、花嫁にばけて小覇王をこらしめること
七 史進と魯智深、瓦官寺を焼きはらうこと
八 花和尚、柳の木を根ごと引きぬくこと
九 豹子頭林冲、高太尉にはかられて罪におちること
一〇 林冲、野猪林で花和尚に一命をすくわれること
一一 林冲、洪師範と棒の試合をして勝つこと
一二 林冲、吹雪の中を梁山泊に走ること
一三 林冲、青面獣楊志と決闘すること
一四 楊志、宝刀を売り毛なし虎の牛二を殺すこと
一五 赤髪鬼劉唐、晁天王に助けられること
一六 呉学究、阮氏兄弟を説き、公孫勝馳せ参ずること
一七 七豪傑、黄泥岡にて不義の財をうばい取ること
一八 楊志と魯智深、二竜山をのっとること
一九 及時雨宋江、晁蓋に急を知らせること
二〇 林冲、王倫をきり晁天王を頭領に推すこと
二一 宋江、怒って閻婆惜を殺すこと
二二 武松、景陽岡にて虎を退治すること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
427
おもしろくて、読みやすい。けれど、どう考えても登場人物の大半が豪傑というよりも「チンピラ」にしか見えないのはワタクシだけだろうか……。びっくりするくらい簡単に人を殴ったり殺したり、モノを盗んだり、奪い取ったり、家に火をつけたり、だましたりするので、読んでいるとだんだん感覚がマヒしてくる。「良い人」と「悪い人」の違いがよくわからなくなってくるのだ。とくに魯智深! おまえはいくらなんでもすぐに人を殴りすぎだろう。血気盛んすぎる。ポコポコなんてかわいいものじゃないぞ2016/07/24
saga
56
水滸伝を読むきっかけは筒井康隆著『俗物図鑑』なのである。きっかけが俗物だ。天保水滸伝や梁山泊という単語は知っていたが、本家本元の物語は初読み。中国の古典らしく、登場人物の行動などのスケールが大きい。物語の発端での伏魔殿に封印された108の妖魔を逃がしてしまう話は、どこかパンドラの箱を彷彿させる。軍人などそれ相応の地位にあった者が、陰謀、短気、欲望などから罪を得て梁山泊に集まっていくことろで上巻が終わる。梁山泊の頭領だった王倫が思えば哀れだ。武芸の腕はなくとも知恵で統率することもできたかも知れないのに……。2024/01/10
たつや
45
ずっと気になっていた「水滸伝」岩波少年文庫のラインナップにあったので、やっと読むことが出来ました。とは言え、まだ上巻のみ。先は長い。事の発端は洪大尉にイライラしつつも漫画チックな展開が面白かった。その後に、どんどん出てくる人物が多いので、やはり、人物紹介や地図のページは力を入れて作って欲しいところ、ましてや、これ児童書ですしね。1章~22章までを収録している。まだ頭の中で、全体像が見えていない。中巻はどんなだろう?2017/01/20
鮭
15
この世に正義はないのかといった印象。とにかく破天荒。力の強いものが勝つ世界で、義理に厚い人物もあくまで侠の世界の中の話。これで岩波少年文庫なのだから、原著のすさまじさが窺える。2015/11/19
おはなし会 芽ぶっく
12
物語は108人の豪傑たちが、梁山泊(彼らの寨の名前)に集結する前と後のおはなし。前半は豪傑たちの個々の活躍が書かれていて、後半は梁山泊集団が宋という国の軍隊になる戦記ものになっている。宋という国の4代皇帝(仁宗)の時代に都で疫病が大流行したことから始まっていく。途中訳が分からなくなり、メモをとりながら読み進めました(笑)その分じっくり読めて面白かったです。水滸伝は初めて読むので、岩波少年文庫を勧められました。2020/03/09