内容説明
武芸の達人や妖術使いたちなど,宋江をはじめ108人の豪傑が,梁山泊を根城に弱きを助け強きをくじいて大活躍する.『三国志演義』『西遊記』などとともに,長年にわたって中国と日本で愛され親しまれてきた,中国四大奇書の1つ.
目次
目 次
四三 一ぴきの虎のことから八人の好漢、梁山泊に投ずること
四四 宋江、呉用の計略によってついに祝家荘を撃滅すること
四五 雷横と朱仝、迫られて梁山泊にのぼること
四六 柴進、高唐州にとらわれの身となること
四七 李逵、羅真人をまふたつにきること
四八 李逵、空井戸にはいって柴進を救い出すこと
四九 時遷、徐寧の金のよろいを盗みだすこと
五〇 魯智深らの三山、梁山泊に合流すること
五一 にせものの宿太尉、華州の太守を殺すこと
五二 晁蓋、史文恭の毒矢にあたって討死すること
五三 呉用、計略をもって盧俊義を梁山泊にさそい出すこと
五四 浪子燕青、主人盧俊義の難をすくうこと
五五 大刀関勝、宋江に帰服すること
五六 張順、神医安道全を梁山泊にひき入れること
五七 呉用、計略をもって北京城を攻め落すこと
五八 盧俊義、史文恭をいけどりにすること
五九 百八の英雄、忠義堂に集まって誓いをすること
六〇 燕青、泰山の奉納相撲に勝つこと
六一 童貫および高キュウの官軍を連破すること
六二 燕青、李師師によって道君皇帝に見えること
六三 宋江、軍をひきいて四コウを平げること
六四 宋江、恩賜の毒酒をあおいで死ぬこと──物語の結末
解 説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
291
ついに最後まで読了。いよいよ108人の豪傑たちが梁山泊に集まり、戦いに明け暮れていく。まったくストーリーを知らないまま読み進めたが、終わり方はびっくりするほどあっさり。あれほど強かった豪傑たちがどんどん死んでいく。大人向けの本なら、ここらへんももうちょっとドラマティックなバトルが繰り広げられたりするのだろうか。あと、意外だったのはただのヤンチャな暴れん坊・黒旋風李逵がかなりおいしい役回りだったこと。とはいえ、ひとまず満足した。2017/12/21
藤月はな(灯れ松明の火)
60
朱仝を仲間に引き入れる為とはいえ、彼に懐いていた知事の坊やを惨殺し、安道全は罪を着せるという手法は外道でしかない。そんなこんなで108人集結だが、今までの手段が手段なだけに私としては心の中は喝采とはいかず。そして宋江らは官軍へ与する。しかし、今までの仲間集めのための手段や無関係な人を巻き添えにする無責任さを思うと統率と謀りが横行する官で上手く、やれる筈もないのは当然。ビギナーズで端折られた為に知りたかった四寇平定時や仲間たちの死も結局、あっさりとしか語られなかった・・・。どんだけ、人気がないんだ、この章。2024/05/14
saga
54
下巻はとみにワンパターンな展開が多かった。解説を読むと、語り継がれた物語の集積であるとのことで納得。それでも星の運命を負った108人の好漢を梁山泊に集める都合で、次々に敵対する将軍が簡単に投降したり、双方の道士が妖術を用いた戦いが出てくると、何だか白けてしまう。宋江は梁山泊を解散し、彼が憧れの朝廷、天子に仕えるが、取り巻きの奸臣のために満足な官位も授けられず、最後には毒酒を下賜されて敢え無い最期。しかし、梁山泊、水滸伝という言葉が人口に膾炙し、八犬伝のような物語に派生する底力があったのだな~。2024/01/30
たつや
46
長く感じる全64話なら、もう少しうまくまとめて上下2巻だったらいいのになと感じる。一つ一つのお話は面白いのですが、もっと、スカッと出来るといいなと思えた。ラストは意外なほどあっけない。大人向けは、もっと、読みづらいかな?2017/01/21
鮭
15
命より侠に殉じるのが重んじられる世界。この物語の幸せは現代の価値観では判断できないであろう。108の英傑より、敵役である暗愚な官僚共の行動の方が理解しやすい、不思議な世界。2015/11/24