内容説明
ホームズ研究家団体〈ベイカー・ストリート・イレギュラーズ〉の大会会場で、著名シャーロッキアンが死体で発見される。彼はコナン・ドイルの失われた日記を発見し、その詳細をこの大会で披露する予定だった。現場に居合わせた若きシャーロッキアンのハロルドは、問題の日記が事件の鍵であると考え、記者のセイラとともにロンドンへと向かうが、それは彼らを予想外の冒険へといざなうことになる。一方1900年、コナン・ドイルは偶然から若い女性の連続殺人に遭遇し、友人のブラム・ストーカーとともに調査に向かっていた。ロンドンの裏街での冒険の行方は? 時空を超えたふたつの事件がからみあう、大型エンタテインメント!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
65
世紀末ロンドン、コナン・ドイルが連続殺人事件に挑む!もう一方では、現代のシャーロキアンがドイルの失われた日記を巡る殺人事件を追う!といった二つの時代の話が交互に流れる。ドイルのパートナーとして、ちょいちょいブラム・ストーカーが出てくるのが個人的にはお気に入りなのだが、ブラムはそれほど活躍しないのが物足りなくも感じる。この二つの時代の事件が下巻で結びつくのだろうが、鈍い私はまだまだ謎解き犯人探しが出来ておらず(苦笑)。下巻へ進みます!2017/05/10
鐵太郎
14
ホームズの名を冠していますが、ここにはホームズはまったく出てきません。出てくるのは、1893~1900年の、おぞましい魔物であるシャーロック・ホームズをライヘンバッハの滝に葬ったコナン・ドイルと、2010年の時代に原題の「Sherlockian」、つまり特別なホームズ愛好者であるハロルド・ホワイト。彼らが現在と過去の二つの殺人事件を追います。 ──始めは取っつきにくかったのですが、こういう趣向は面白い、展開もスリリングです。さて、どんな決着が見られるのか。2017/04/15
タッキー
11
本の装丁に惹かれて買った一冊。作者はアカデミー脚色賞も受賞したことのある脚本家とのこと。現代とコナンドイルの活躍する1900年頃が交互に展開するストーリー。あまりの人気でホームズを殺さざるを得なかったドイルの苦悩が本当っぽく描かれています。そのドイルがホームズばりの推理で殺人事件に挑む一方、現代パートでは、ドイルの失われた日記を主人公のシャーロキアンが追うという展開。下巻でこの二つのパートがどう交わるか注目です。2018/07/16
ホーリー
6
現代の事件と、ホームズをライヘンバッハの滝に葬った後のコナン・ドイルの時代を交互に描くスタイル。ドイルやブラム・ストーカーは実在の人物でも、描かれてる事柄はほぼフィクション。しかしながら、時代の雰囲気がよく出ていて楽しめました。 ミステリーというよりは、シャーロキアントリビア小説の色が濃い作品です。。2017/05/09
J・P・フリーマン
5
2010年と1900年のストーリーを1章ごとに交互に展開されます。現代編はベイカーストリートイレギュラーの新メンバーになったハロルドが探偵役。失われたドイルの日記を発見したシャーロキアンが殺害された事件に取り組みます。過去編はコナン・ドイルが探偵役で、連続殺人事件を調査することになります。2018/01/18