内容説明
エレイン生存情報に、現地に駆けつけたロザンナと弁護士だったが、人目を避けて隠れ住んでいたエレインを名乗る女は彼女のパスポートこそ持っていたが、本人ではなく、何かに怯えるパメラという謎の女だった。なぜ彼女はエレインのパスポートを所持しているのか? 夫との仲がぎくしゃくしていたロザンナは、誰もが疑ったエレイン最後の接触者である弁護士マークの無実を証明することに熱中し、次第に彼に惹かれ始めていた。エレインはどこにいるのか? 弁護士は何か知っているのか? 真実はどこに? 最後の最後に、震えるような衝撃が……。あなたはこの小説を途中でやめられますか? ドイツ本国で210万部超の大ベストセラー・ミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
70
上巻の最後でウェイトレスのパメラが、失踪者エレインのパスポートを持っていたことで、事件は混迷を深めていく。下巻では元記者のロザンナらの調査により、状況は次第に整理され真相が次第に浮かび上がってくる。エレインは生きているのか?サスペンスと犯人探しのミステリーが終盤に向け盛り上がってくる。作品全体を通して、登場人物の造形がとても良く出来ていて、上下巻700ページ近くある作品も長さを感じさせず、一気に読ませるものを持っている本だった。近来読んだ英国ミステリーの中で秀でた一冊。2017/04/09
yukaring
69
友人の結婚式でジブラルタルに向かう途中に忽然と姿を消したエレイン。彼女に何が起こったのか?緊迫感と疾走感溢れる謎多きミステリは途中で止められなくなること間違いなしの傑作。ドイツ本国で大ベストセラーというのも納得。シャルロッテ・リンクの物語はシンプルな謎と魅力的な登場人物、読者を翻弄するストーリーテリングが本当に面白い。エレインの友人でジャーナリストのロザンナが彼女の痕跡を追うが、点にすぎない手掛かりが線になり驚きの真実を描き出す展開からもう目が離せない。読みやすさも抜群で翻訳小説が苦手な人にもおすすめ。2025/04/29
Nat
61
面白かったが、主人公のロザンナに最後まで好感をもてなかった。真相はもしかしてと思っていた通りだったが、全て告白通りなのかスッキリせず、どうにもモヤモヤが残った。ところで訳者は後書きで、シャルロッテ・リンクの小説が女性読者の絶大な支持を集める理由が、作者のエレインのようなタイプの人間に厳しく容赦ないながらも温かな理解と励ましの視線にあるのではないかと述べているが、あまり納得出来なかった。この作中からは、そういう視線はあまり感じられなかった。2022/11/26
momi
58
一気読み!ドイツの大人気作家で日本で言えば「宮部みゆき」「東野圭吾」に匹敵する著者の作品です!下巻…二転三転といろんなことがありました!スピード感あるドキドキの展開!サイコパス登場です!登場人物それぞれが抱える深い闇…。真実を知れば…深い悲しみが襲ってくる…でも知らなければならない…ジレンマ。知りたい衝動にかられ読む手を止めることができませんでした!!何故彼女は…姿を消してしまったのだろうか!?結局…全てはあの夜から始まったことなのですね…悲しみの真実!!ひょっとしたら人の心に深入りするのが怖くなるかも!2018/02/10
鴨ミール
43
下巻はスピーディーだった。出てくる人に好感がもてるタイプが一人もいなくて辛い。世の中には私の知らない性格の人たちがたくさんいるんだな。2023/08/30