内容説明
『権記』は、平安中期、九条流藤原氏の嫡流で三蹟の一人と称される藤原行成の日記である。青年期は不遇であったが、長徳元年(九九五)、蔵人頭に抜擢されて以降は、一条天皇や東三条院、藤原道長の信任を得、側近の能吏として順調に累進してゆく。日々の宮廷の政治・儀式・秘事が細かく記され、貴族の多忙な日常が見える第一級史料、初の現代語訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
23
平安時代まだまだ初心者の私には、現代語訳とはいえ、登場する人物も役職名もさっぱり解らず、内容も面白くない(当時の日記は後世の人のために儀式や政務の次第を書き記したもの)上に言葉が難しすぎて、途中で放り出した『権記』。『この世をば』と並行して読んでみたら、なんとなく最後まで読めた(*^^)v 内容や言葉の意味は半分も理解できていないけど、今はそれでいいや。平安貴族は忙しいっていうのは理解した(笑)清明が妖退治じゃなくて、普通に仕事をしている(当たり前だけど)記述が出てくる。そりゃそうだ、と納得してしまった。2016/05/14
feodor
5
一条朝の四納言の一人、藤原行成の日記。『枕草子』に登場する貴公子たち(斉信や公任、耳聡い大蔵卿の正光など)がサラリーマン的に登場。行成は頭弁(蔵人頭を兼ねる大弁)になっているのだが、太政官たちによる閣議である陣定前に行われる実務レベルの文書整理作業の「結政(かたなし)」が頻出する。定子に並立する中宮彰子擁立については、一役買っていたようで、入道した中宮では神事を行えない、などの主張も見られる。実務官僚の面もあって、日記に日常の政務が垣間見られるのがおもしろい。2012/03/05
ちぃ。
4
千年ほど昔の日本の政務に関する貴重な古記録となります。2023/05/01
みん
4
潔いまでに現代語訳のみ!藤原道長の腹心として平安時代を生きた藤原行成の日記です。貴族政治真っ只中にいた実務官僚の記録とあって、興味深い記述がたくさん出てきます。平安時代好き必読!定子や一条天皇崩御時の記述などは、とても胸に迫りました。他にも誰それと同車したとか妻の体調が、など当時の貴族の生活が垣間見れて興味深いです。御堂関白記、権記ときて、次、小右記は出ないのかな?出して欲しいなあ……
なかがわみやこ
2
真面目なサラリーマンの日誌みたいで、判を押したような日常。楽しんで読むにはコツがいると思います(笑)。2012/04/25