内容説明
黄金の輝きが招いた戦乱を制した安倍頼良・貞任父子だが朝廷は源氏の総帥源頼義を陸奥守(むつのかみ)として任命した。安倍一族と源氏の永い宿命の戦いがいま始まる。朝廷側に身を置きながらも、蝦夷たちの真実に触れ、藤原経清(つねきよ)はもののふの心を揺さぶられる。後に「前9年の役」と歴史に記される戦いへと時は流れる。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とん大西
113
歴史小説が他ジャンルと違うとこは、結末があらかたわかっているというとこかも。歴史に埋没していく無念、或いは時に光茫を放つ熱魂。先人達の心情をなぞり、推し量り…そんなとこが趣の一つであったりします。いよいよ北の雪原に炎立ち上がる第2巻。功焦り業煮やす源頼義。ひたすら忍従の安倍。しかし、頼義の謀略策略のはて、ついに軍事衝突が不可避の状態に。そして藤原経清-朝廷の官吏であり武人であり、安倍の娘婿でもあり。国と陸奥と家族を憂い、悩んだ末の経清の決断…。この結末がわかっているだけにこの先を読むのがちぃと辛いのです。2019/05/11
カレイ.シュウ
71
新たに陸奥守となり、手柄をあげようとする源頼良との駆け引き、前半は権謀術数のやり取り、後半は緊張感溢れる合戦描写。経清はついに安倍と合流する。怒濤の展開でした。ラストで義家達を経清が見逃してしまうのが後にどういう運命となるのか?後世の源氏や奥州藤原氏の先祖達に当たる人たちに、こんな関り、因縁があったのは知りませんでした。細かいエピソードは作者のフィクションと後書きで書いてますが、リアリティーがあります。2019/04/10
たいぱぱ
69
前作から1年8ヶ月も間が空いてしまったので物語を覚えてるのか心配だったが、読み始めてすぐ、脳内の霧が振り払われ、記憶が晴れわたるではないか!♪晴れわたろうよキリンレモン♪余程、登場人物たちが魅力的だったんだろう。藤原常清と安倍貞任。男気溢れるふたりのの火を合わせて「炎」。そこからタイトルの「炎立つ」。めっちゃカッコいいやん!痺れるわ~!対して敵方の源頼義が戦いに舵を切る理由が気に入らん。お前の名前の「義」は何なんや。この腐れ金玉が!息子の義家よ。せめてお前は、八幡太郎として漢になっていけよ。頼むでホンマ。2020/05/23
さつき
69
どうしても戦さがしたい源頼義と安倍一族の攻防が続きます。間に挟まれる経清と永衡の立場の不安定さにはドキドキさせられます。頼義と義家、頼時と貞任。2組の親子をめぐる愛情と相克も読み応えがありました。経清が恩を売った形でこの巻は終わりますが、なぜ見逃したんだーと叫びたい気分です。2019/11/12
アルピニア
66
全五巻の第二巻。「黄海の戦い」まで。源頼義が陸奥守として赴任するが、大赦により鬼切部の件が不問となり戦は避けられた。だが、源氏と息子義家のためになんとしても手柄が欲しい頼義は任期が残り少なくなったことに焦り、謀略を仕掛けて戦を始める。頼義とその郎従の卑劣さに憤り、永衡・頼時に対する理不尽に涙し、義家の真っ直ぐな気性に嬉しくなる。貞任や経清の選択は一味違って唸ってしまうことが多かった。二人のカリスマ性が見事に表現されていると感じた。頼義の奇襲を地の利、情報戦で制した安倍軍。惨敗した源氏と朝廷はどう出るか。2021/01/15
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