内容説明
狂歌師・宿屋飯盛はその族籍を四民の外の「遊民」に区分けられたという。名称に潜む軽侮、対する反骨。文学の毒を練り風雅の妙を極めた「遊民」たる江戸文人たちの人、生活、作品を論じ、江戸文学の根幹に迫って精髄を伝える石川淳の真骨頂8篇。「山東京伝」「横井也有」「其角」「長嘯子雑記」ほか。読売文学賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AR読書記録
2
あかん、読む方にも深い教養と見識が必要とされててちょっと... ほとんど、眼が文字を追うだけの読書になってしまったけれど、最後の「長嘯子雑記」で、北政所の甥という生まれから秀吉に取り立てられながらも、武将・領主としては全く不向き、だが歌人・風流人として独特の感性を持ち、小田原攻めや文禄の役に付き従って陣中記を残すとそれは風雅な紀行文...という、木下長嘯子なる人物を知ったのは、おもしろかった。2014/09/17
うえ
0
「制度の側からの軽侮こそ、戯作者にとってはねがってもない仕事の場にちがいない。」2013/03/19