角川文庫<br> 完全版 1★9★3★7 イクミナ (下)

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角川文庫
完全版 1★9★3★7 イクミナ (下)

  • 著者名:辺見庸【著者】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • KADOKAWA(2016/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041049778

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内容説明

敗戦後七十年、被害の責任も加害の責任も、誰もとっていないこの日本という国は何か。過去にこそ未来のイメージがあるとして、深い内省と鋭い洞察によって時代を迎え撃つ、戦後思想史上最大の問題作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KEI

37
下巻に入ると著者の舌鋒はますます鋭くなる。八紘一宇の元に近隣の国を侵略し人を人として扱わず、隷従させ、殺し、掠奪し、強姦する事が当然だとしていたニッポン。敗戦後も責任を取らず、謝罪もせずにいた事に愕然とする。特に戦争責任について問われた昭和天皇の言葉「そういう言葉のアヤについては、私はそういう文学方面はあまり研究はしていないので、よくわかりませんから、そういう問題についてはお答えが出来かねます」それに迎合する戦後の姿が今に繋がる怖さを感じた。大元帥陛下として退位すべきだと父と論争した事を思い出した。2018/11/25

jahmatsu

36
下巻でさらに深く斬り込んでニッポンを解剖していく辺見氏、活字に打ちのめされ続け、最後まで読み終えるのには時間を要した。最後にニッポンの恥というワードを痛烈に感じる。2019/03/12

sashi_mono

18
作者は「苦痛にさらされた他者の痛みを想像する」歴史的時間に身を投じながら、過去と現代(未来)、戦前から戦後までひと続きに連なった、二ホン的特殊性を暴き出す。とりわけ堀田善衛の小説の文句を引きながら、現在の時代状況は「人間の約束事はすべて壊れ去り剥ぎとられ、共通の約束の一つもない生活」を前提としており、それはむしろ「おそろしく基本的な時代」だと考察した箇所が印象深かった。2019/12/08

おおにし

12
辺見さんの筆は衰えることなく下巻へと続き、読んでいるとどんどん疲れてくる。気分もどんどん重くなる。でも最後まで読み終えることが日本人の責任であると思いなんとか読み終えた。感想はいろいろあるが、特に印象的なのは戦争責任について問われた昭和天皇の発言。「そういう言葉の綾については、私はそういう文学方面はあまり研究していないので、よくわかりません…」昭和天皇は戦争責任については何も語らずに亡くなったと思っていたが、これは余りにたちが悪い発言。日本の戦争責任を曖昧にしてきた根源はここにあると思う。2017/07/23

Mao

7
同じ内容が何度も出てきて、初めのうちは「またかぁ」と思ったが、読み進むうちに、これこそ、著者が描かずにいられないことなんだなと納得。 都合の悪いことは知らないふりをしてスルーする〝恥を知らない日本人”であることに心底恥じ入る。2017/05/28

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