文春文庫<br> この国のかたち(三)

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文春文庫
この国のかたち(三)

  • 著者名:司馬遼太郎
  • 価格 ¥690(本体¥628)
  • 文藝春秋(2016/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167105624

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内容説明

革命をおこした国は倨傲になる。特に革命で得た物差しを他国に輸出したがるという点で、古今に例が多い。明治の日本人には朝野ともにその意識がつよく、他のアジア人にとって不愉快きわまりないものであったろう。――この国の歴史のなかから、日本人の特性を探り出し、考察することによって普遍的なものはなにかを考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゴンゾウ@新潮部

118
本書に触れると司馬さんの歴史に対する知識の豊富さに驚かされる。日本史はもちろん、古代中国史、西洋史、思想、宗教、文化などその量は無限大であると思ってしまう。その豊富な視点からこの国のかたちを考察している。当たり前だが日本の歩みは点でなく面で、いや立方で繋がって来たのだと気付かされる。坂東武者が薩摩や長州に影響を与えたことなどとても興味深い。2017/08/11

カピバラKS

95
●平成2・3年の文藝春秋巻頭随筆。●著者は、日本も英国も孤島だが、日本は外交下手なのに、英国は外交上手で、外交手腕の巧拙に孤島という地理的条件は関係ないとする。ただし、日本と英国で外交手腕に差が生じた理由は詳らかにしていない。●私見によれば、英国は近隣大陸の欧州が国家分立を常態とし、各国の勢力均衡を図るなど外交努力の余地が大きかった。一方日本は近隣大陸の中国が国家統一を常態とし、専ら追従するしかなく外交努力の余地が小さかった。こうした日英の外交練度の差が、外交能力の差となっているように思う。2024/09/11

Die-Go

85
再読。日本と言う国の「かたち」を、司馬遼太郎の筆によって読み解く。3巻で面白かったのは、甲冑上下。甲冑と言う武具を通して、日本人の精神性にまで触れているのが興味深い。★★★★★2016/03/27

k5

71
文化論的なところより、人物論、都市論が展開される三巻。好みとしては自由度の高い二巻の方ですが、明治の小説言語について見てきたかのように書いた章や、甲冑から武士の精神史を描く章など面白いところは多々あります。司馬遼太郎は中毒性がありますね。2024/04/16

まさにい

67
再読。ⅠやⅡが直接的に近い形で戦中についての考え方の内容についての話(統帥権や天皇についての記述)が目立ったのに対して、Ⅲについては、日本史全体から現在の日本のあり方を考えさせるヒントを記述しているように思われた。Ⅲには、商品経済の発達と合理性の精神の萌芽(これは明治維新での資本主義の受け入れられる素地があった点)の指摘や首都の変遷についてなどが記述され、内容的にも一般人の盲点の部分を記述している。司馬さんは、この文章で日本国民に考えるヒント(正しく)を発信していたのかもしれない。2016/06/13

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