内容説明
時は元禄――旗本の息・徳山五兵衛(幼名・権十郎)は、妾腹の子ゆえに父から疎まれていた。剣の修行に明け暮れる十四歳の初夏、侍女への無謀な振舞いがもとで、父子の不和は決定的となった。四年後、道場主の他界を機に、一介の剣士として生きようと同門の浪人剣客・佐和口忠蔵を慕って江戸を出た。父はこの出奔を利用して、執拗なまでにわが子廃嫡の策謀をつづけていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
79
面白かったです。表紙絵から内容は何となく想像できますが。父子の不和というのは池波作品にしては珍しいものなのでしょうか。妾腹の子故に父親に疎まれる権十郎は剣の修行に明け暮れますが、侍女との関係が元でより不仲になるのが辛いところです。それでも一介の剣士となる決意は固いようで、浪人剣客・佐和口を慕い、江戸を捨てるところなどから、剣に生きる真摯な姿を伺うことができました。父が我が子を廃嫡しようと考えているにも関わらず、真っ直ぐに自分の意思に生きようとする権十郎の姿が恰好良いです。続きも読みます。2016/05/31
優希
54
面白くてのめり込んでしまいます。父子の不和から江戸を離れる権十郎。原因は侍女への無謀というのが池波作品らしいところだと思います。それでも剣士として生きる決意を固める姿は格好良いですね。続きも読みます。2023/02/23
けやき
53
徳山権十郎は旗本の妾腹の子だが家督を継ぐことに。しかし父に疎まれ刺客を放たれたり廃嫡にされ他に養子をとられようとしたり。そんな父の元を出奔して京都にゆく権十郎だった。面白いです。「賊将」に収められた「秘図」の長編化。2023/07/10
しーふぉ
19
旗本の側室の子として生まれたゴン十郎は剣に邁進する。父からは疎まれ江戸から出奔する。堀部安兵衛も登場する。鬼平犯科帳に近しい世界観も楽しい2026/05/24
ぺぱごじら
18
陰湿で救いのない父子のいがみ合いを軸に、話が進む、『剣客』や『真田』の池波正太郎らしからぬ展開に戸惑いながらも、周囲の温かさを糧に歪むことなく育つ主人公の姿に爽快感を覚えます。途中『隆慶ワールド』に入ったかと見まごう展開もありますが(笑)、やはり池波節の力は偉大。それにしても池波さんのお話は食事の場面がいちいち美味しそうで困る(苦笑)。…と色々書き連ねて最後に言いたい一言は『このエロガキめ』だったりします(苦笑)。2013-1372013/09/25




