講談社学術文庫<br> 人間の由来(下)

個数:1
紙書籍版価格
¥1,595
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

講談社学術文庫
人間の由来(下)

  • ISBN:9784062923712

ファイル: /

内容説明

センセーションを巻き起こした『種の起源』から12年、ダーウィンは本書で初めて人間の「由来」と「進化」を全面的に扱った。人間は、肉体的形態、心的能力、知的能力、道徳的性質のすべてにおいて「下等動物」と連続性をもっている。そして、お互いに助け合い、守り合う「種」こそが「存続をめぐる争い(生存競争)」を生きのびる。ダーウィンが進化論に託した希望が示されるもう一つの主著、待望されてきた文庫版初の全訳!

目次

凡 例
第II部 性淘汰(続き)
第一二章 魚類、両生類、爬虫類における第二次性徴
第一三章 鳥類の第二次性徴
第一四章 鳥類(続き)
第一五章 鳥類(続き)
第一六章 鳥類(続き)
第一七章 哺乳類の第二次性徴
第一八章 哺乳類の第二次性徴(続き)
第一九章 人間の第二次性徴
第二〇章 人間の第二次性徴(続き)
第二一章 全体のまとめと結論
訳者解説

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

赤い熊熊

12
クジャクの羽のような動物の二次性徴は生き残り戦略としてむしろ不利なものが多く、通常の自然淘汰では説明しきれない。そこでこれら雄の二次性徴は雌の選り好みによって発達したといった具合の性淘汰のお話がたっぷりでした。「未開人」とか「下等動物」とかのような白人原理ともいえることばや議論が繰り返し語られるのですが、その辺の違和感差っ引いて読めば、ダーウィンはすでにそこまで考えが至ってたんだと改めて感心。2016/12/24

Meme

10
いまより150年は遡った話ではあるから、特に人種がテーマの章については慎重な理解が必要でしょう。いずれにせよ、脳を多分に刺激してくれる内容です。人間の由来を語るのに殆どを性淘汰に費やしたことの意図はなんだろうか?2023/09/23

roughfractus02

4
selectionが淘汰と訳し直されても著者は時折choiceも用い、sexual selectionなる語は葛藤しているかに見える。淘汰は自然の物理法則に従うが、性淘汰の2つの要素=同種間での雄同士の競争+雌による雄の選り好みは、意識/無意識の二項では区別しづらい。一方、この社会的なselectionの曖昧さが、自然の物理的なランダム性の強調から明確になり、従来の人間側の解釈(社会ダーウィニズム)との区別も可能にしている点は重視したい。なお本書の邦訳原本は『ダーウィン著作集(2)人間の進化と性淘汰Ⅱ』。2017/09/17

モート

1
色彩、カタチ、声、踊り、配置などの「装飾の多様性」が、とっても楽しい豊かな世界と感じられた。上巻の第二部8章からは「性に関連した淘汰」を扱っている。下巻は続きの12章から始まる。これら装飾は、ただ単にその種にとってのメスに好かれるために、生殖に有利だから、その装飾が遺伝していき、性的な自然に選択されると仮説が立てられている。つまり、モテるためだけに。さらに性格も性淘汰により形作られ、「異性を惹きつけるための性淘汰」によって変容を遂げてきたとされている。もし文化や国、組織などで多様性を求めるならば、2020/07/24

海野藻屑

1
性淘汰でより環境に適した生物が生き残る。そして、私たちは人類と言う勝者だけれど、いつか雌の形が変わるかもしれないと。より適し雄にとって子孫を残せるように。2017/07/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11177819
  • ご注意事項
 

同じシリーズの商品一覧

該当件数2件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす