内容説明
元和元年、大阪城に押し寄せる徳川二十数万の大軍。“真田丸”に集結した、穴山小助、猿飛佐助、霧隠才蔵、高野小天狗、筧十蔵、三好清海、由利鎌之助、呉羽自然坊、為三、そして大助。「この幸村に、生命をもらいたい。お前たち十人の勇士が、どれだけ正義のためにめざましいはたらきをするか、徳川方にぞんぶんに示してくれよう」電光石火の早わざ、獅子奮迅の活躍。伝奇ロマンの傑作、完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
86
嗚呼、読み終わってしまった。淋しい。私はこの少年性の強い活劇が好きだった。傷もあるが、改行を繰り返す平易な文章が醸し出す漫画の様なこのスピード感。童心に還ってこの夏、続きが発売されるのを心待ちにしていたのだ。シバレンの闊達な大嘘が壮快。ラストは当然真田幸村主従の最後なのだが、壮烈でもあり、優しくもあった。真田幸村、良い主人だった。面白かった。大満足。この作品は当時、絵本になり、すがやみつる(『ゲームセンターあらし』の人)や本宮ひろ志が漫画にしている。NHKが本気で面白いものを作って流行らせるのは嬉しい。2016/09/04
mayu
74
前巻の勢いのまま、最後の決戦へ。大阪夏の陣。滅びの結末がわかってはいても、智慧をしぼり、優しさと激しさを持ってこの時代を戦い抜いた真田幸村と、そんな彼をまっすぐに慕い、支えようとする十勇士の活躍が光っていた。戦いの後、城は落ちても、それぞれの道を選ぼうとする者たち。悲しみだけではなく、未来を見据えた明るさがあるのがこの物語の終わりとして良かったと思う。たしかに彼の遺志は受け継がれているはず。現実と虚構を行ったり来たりする初めての感覚の歴史もの、非常に楽しく読めた。2021/12/02
10$の恋
36
戦国武将の主と従、因縁と因果、その混沌と激動の戦国時代に疾駆した「闇の忍者達」。裏切りと忠誠心…渦巻く野望の中で、確かに『真田幸村』は強烈な光を放った。冷徹な雇われ忍者の中で、幸村に忠誠を尽くした十勇士。その一途さは見事痛快以外なにものでもない。なるほど、歴史の隙間には陰の者が操舵の役割を果たしたのかも知れない。漫画的と言うなかれ。誰しも「忍術を使えたら…」と空想することもあろう。それを顕現して頂いた作家「柴田錬三郎さん(通称シバレン)」に感謝。痛快忍者伝は、私の中に旋風を起こしてくれた。これにて御免!2021/06/28
金吾
31
○痛快な創作物です。奇想天外な話でありビックリしながら先を楽しみにできます。一気に読んでしまいます。2024/02/11
鈴
12
家康と淀のクズっぷりときたらぁぁぁ!紆余曲折を経て、勢いそのままに大阪夏の陣突入。結末は大筋史実の通りなので、幸村が活躍すればする程こちらの頭は冷える。3巻通して一気に駆け抜けた感が素晴らしい。丁々発止の活躍を見せた11人だが、最初から豊臣の存続を完全に信じていない所が、切ない。今作は自分が知っている十勇士の構成メンバーと少し違うので、違うバージョンも読んでみたい。大変に面白かった。2017/08/29