内容説明
天正十年、真田幸村は上田城で父・昌幸と夜空を仰いだ。光を増して輝く己の星のまわりに、十の流星が飛来する。「どうやらこの幸村が智能をふりしぼって働く時、手足となって働いてくれる秀れた家来が、十人、現れましょう」武田勝頼の遺児・猿飛佐助、碧眼のイギリス人・霧隠才蔵、石川五右衛門の子・三好清海……「真田十勇士」決定版。超絶の忍術妖術、息もつかせぬ第一巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
120
うわーっ!なんだこれ。最初の数十ページだけで長編小説になりそうなネタがボンボン出てきて、もの凄いテンポで次から次へと展開して頭がクラクラする。奇想と伝奇的アイデアの詰め込み、炸裂の連打が凄まじく、驚嘆する瞬間が多く読み飛ばせない。面白すぎてかえって読むのに時間が掛かってしまうというのは、久々の体験。40年ぶりの文庫化ということだが、部分的に多少表現が古いだけで内容が新しすぎる。柴錬恐るべし。というわけで来月刊行の2巻が楽しみ。正直、1ヶ月置きなのが助かった。こんなの一気読みだと、胃もたれするから。2016/06/28
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
105
ちょっと待て!これ面白過ぎるだろ!。いきなりお薦めである。読み始めると止められない。私は当時幼な過ぎて見た記憶は乏しいが、70年代末のNHKの人形劇のノベライズ。辻村ジュサブローの人形で原作は柴田錬三郎。荒唐無稽な快作『柴錬立川文庫』の面白い部分を集めた内容である。本書の存在は知っていたが、ノベライズだから柴錬は名前を貸しているだけかと思っていた。しかし20頁程読めば柴錬節が出て来て、きちんと書いたものだとわかる。元々少年小説の書き手でもあるのだ。私の祖母は柴錬の少年物を愛読していた。いや面白い。(続く)2016/07/02
mayu
69
真田幸村、15歳。父に連れられ、のぼった望楼上から夜空を仰ぐと、煌々と光る星。それは幸村が生まれた時刻に現れた星。まわりには十の流星。十勇士の誕生を示唆していた。猿飛佐助が生まれて忍者になるまで。だんだんと十勇士も集まっていく。家康軍との妖術や忍術を駆使した闘い。大阪城を落とさんとする家康軍に、佐助たちはどうするのか。スピード感のある展開、史実と空想が行ったり来たりするのがまた面白い。これは続きが楽しみ。2021/10/22
10$の恋
39
時は戦国、嵐の時代。真田幸村は15才になった元服の日、父昌幸と夜空を仰いでいた。煌々と輝く一点の星。幸村が生を受けた日に突如現れたその星に、十の流星が吸い込まれていった。幸村と生死を共にする「十勇士」出現の暗示である。さぁ、猿飛佐助の誕生から一気に痛快忍者伝が炸裂する。宿命的に集まりし十勇士たち。家康に天下は取らさぬぞ!続々出てくる凄腕忍者に猛者に強者。度肝を抜く妖術や幻術に「あり得ない…」と突っ込むのは野暮ってものだ。正史に並行するパラレルワールドだと思考をチェンジすれば、楽しめること請け合い♪二巻へ!2021/06/17
金吾
28
○大衆娯楽小説です。設定がハチャメチャで面白いです。十勇士が集まってきますが、勝頼や石川五右衛門の息子がいたり、外国人がいたり奇想天外です。2024/02/11