内容説明
その蔵には、百年を待たずして魂が宿った“物”がたくさん棲んでいた??。東京から父親の田舎に越してきた女子高生の結花は、敷地内にある古い蔵で“視えて”しまった。それは、着物のイケメン・蘇芳さんをはじめ、たわしの伝兵衛、キセルの華など、長年蔵に閉じ込められていたつくも神たち。結花は半ば強引に、彼らを管理しつつお願いごともこなす「鍵守」として働くことに。最初の仕事はキセルの華を元の持ち主に返すこと。右も左もわからない田舎で、時代錯誤なつくも神たちと共に六十年前の持ち主捜しが始まった??!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
59
あやかし同居人、久し振りにしっかりした妖と人とのふれあいが濃厚な話を読めて満足満足です。旧家の蔵に住む付喪神。人が怖い結花にはその付喪神たちが視える。人より安全と認識した付喪神を管理する鍵守りとなる。犬や猫と同じようにモノにも執着も愛情もストレートに届くようだ。でも一旦捨てられたら・・心を通わせるのは大変だ。若い二人の直球の言葉が初々しくて次の巻に心がはやる2020/01/30
佐島楓
45
人間関係で傷ついたうえに母も亡くした結花は、父とともに田舎に引っ越してくる。しかし蔵を開けたことで、つくも神たちを視てしまう。結花の繊細さ、つくも神や人との出会いで傷をいやしていく幸福感が伝わってきて、いいお話だなと思いました。続編、読みたいです。2016/10/09
万葉語り
43
東京で母を病気で亡くし父の実家に引っ越してきた結花。東京では同級生にいじめられ、ひととの関係を結ぶことにおびえていたが、不思議な蔵に住む付喪神のキセルやふとんの依頼をかなえるうちに、友達もできて少し成長する話。続編もあるようなので読んでみたい。2020-1602020/08/30
hirune
42
イジメにあって傷ついていた結花が田舎に移り住み、付喪神満載の蔵の鍵守という世話役になって妖や人間と関わっていくことで心のリハビリがなされていく。それでも付喪神は一途過ぎて 関わり方を間違えるとダークサイドに落ちそうで怖い一面もある(^^;;宏光っていう命綱がいてくれて良かったなぁというお話しでした。いろんなものを蔵に持ち込んで どんな付喪神になるか試すのは 危険な遊びでしょうか?2019/01/03
ぽぽ♪
31
付喪神って言うと、しゃばけを思い出しますが、現代設定で面白かったです。たわしの付喪神の伝兵衛がお気に入り。確執があった宏光の家とも和解でき、シリーズ化して欲しいです。2016/11/26