内容説明
志摩水軍の若き継嗣・九鬼守隆。
水平線の彼方を眺めつつ戦国の世に育つ。
父・嘉隆に連れられ安土城で「天魔」と懼れられた信長に会い、
この覇者が頑迷な京の暦学者達に苛立っていることを知る。
やがて本能寺の変――。
羽柴秀吉が巧妙に信長の後継ポジションを掴んで行く。
村上水軍より強いと言われた九鬼水軍の頭領・守隆を主人公に、
史料の徹底検討から浮かび上がる「ありえたかもしれない戦国時代後の日本」の姿。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
45
展開が面白く引き込まれる。嘉隆、守隆親子がいい。下巻は小田原征伐から‼︎(^^)2016/08/17
キャプテン
36
★★☆☆☆_「こぼれ落ちたフェアのかけら」第八弾上。引き続き【キャプ衛門とゆく時の旅フェア】からのこぼれ落ち。知っている人は知っている、九鬼嘉隆と九鬼守隆の親子。武将でありながら船乗りであり、まさに生涯を海に生きた男たちである。九鬼嘉隆は、知る人ぞ知る水軍の武将だが、まさかの主人公は守隆の方である。マイナー武将には、マイナー武将なりの生き方があるという本筋があるのだが…。信長の話だったり、秀吉の話だったりばかりが語られる。『話を守隆に戻そう』と作者自身も認識しつつ横道逸れまくり。なので、終わりが遥かなり。2018/10/25
かいゆう
32
すごく面白かった!九鬼水軍を率いる武将九鬼嘉隆の息子守隆の、好奇心と探究心に引き込まれ、すごくワクワクした。水平線の話も、暦の話も、潮の流れも実に興味深かった。情報から状況を分析し、意見を述べる。とても幼い子どもとは思えず、九鬼を継ぐ者として将来が楽しみだ。『村上海賊の娘』『忍びの国』『清須会議』など、読んできた本の出来事がたくさん盛り込まれていて楽しめました。2016/09/04
かいと
29
嘉隆の子の守隆が、暦のことを勉強したりいろいろ知っていたりしていたので、すごいと思いました。信長がいたくらいのときは、暦が8つくらい全国にあったことを知りました。おもしろかったので、九鬼水軍のことをもっと知りたいなと思いました。2016/09/30
onasu
16
石山本願寺をめぐる海戦に鉄甲船を投入し、織田方を勝利に導いたという九鬼水軍の長:嘉隆と幼くして明晰な継嗣:守隆。 上巻は父のその海戦より志摩への帰港から、本能寺の変、秀吉が天下人となるまで。 最初の見せ場は、海の不思議さをめぐっての信長と守隆のやり取り。子供ながら気脈の通じた信長は、暦の問題まで諭し5年後の再会を約すが…。 その後、守隆は早々に元服し父から操船を始めとした直伝を受け、小田原攻めの際には南蛮船を建造し操舵するまでに。 守隆の活躍あってこその好著だが、早熟過ぎには、やや鼻白む思いも。2016/09/11