内容説明
【あらすじ】
お蔦と妙子のことで恩師酒井の逆鱗に触れた上、掏摸との共謀を疑われた早瀬は、規律の厳しい参謀本部の職を辞し、家を畳んで郷里の静岡へ都落ちした。
そこへ赴く急行列車の中、子どもを連れた美麗な婦人と出会い、彼女も同じ所で下りるということから、河野という家をご存知ないか―と尋ねると、「あら、河野はわたくしどもですわ。」
それは河野英吉のすぐ下の妹、一族で第一の艶を誇る菅子であった。
英吉と妙子との縁談を調えてもらいたいとの考えもあり、菅子は早瀬との関係を深めてゆく。
やがて早瀬は、長女道子など、河野家の人々とも関わり合っていくが、そこにはある目論見があったのである…
早瀬と、彼を取り巻く女たちを中心に描き出される、絢爛たる人間絵巻の後編。
【訳者略歴】
白水 銀雪(しろみ ぎんせつ)
慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学)
システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事
現在、蓼科にて山暮らし