内容説明
言葉にも表現し損ねる〈語りえぬもの〉が存在する。それがどうして語られることができないのかという理由を、分析哲学、数理論理学、認知科学の知見を交えて、わかりやすく解明する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月宮 ゆきと
2
「自我」「論理」「倫理」のような語り得ないが示され得るものだけではなく,示されもしないものにまで言及する本書.それらを数え上げ分類する最終章は,興味深いものの,私には難しすぎました.2015/08/31
ひつまぶし
1
3章まで読んでいて、なるほどとは思うものの、言語に関する議論として、どの程度オリジナリティがあるのか判断できないところが引っかかる。それまで隠されていたウィトゲンシュタインがいきなり表に出てくる第4章がよく分からないのは、この一冊におけるオリジナリティを担保するために、哲学というジャンルの中でウィトゲンシュタインを吟味する議論を組み込む必要があり、門外漢には面白さの分からない結びだからなのかもしれない。バッサリ終わるのも「示した」ことをもって沈黙したという体なのか。哲学を生業とする者の隘路を見た気がする。2022/09/05
kousan
0
ウィトゲンシュタインに挑もうとすること自体が素晴らしい。2016/08/08