新潮文庫<br> 軍艦長門の生涯(下)

個数:1
紙書籍版価格
¥607
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

新潮文庫
軍艦長門の生涯(下)

  • 著者名:阿川弘之【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 新潮社(2016/07発売)
  • GWに本を読もう!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101110097

ファイル: /

内容説明

日米開戦回避の願いも空しく、昭和16年12月2日、連合艦隊旗艦長門より「新高山(ニイタカヤマ)登レ」は発信された。だが快進撃も束の間、時すでに海洋戦の主体は巨大戦艦から航空機へと移っていた。敗戦から一年、長門は原爆実験の標的艦として遠くビキニの海に沈む……。本書は、二百余名に及ぶ証言と綿密な考証をもとに、近代日本が経験した未曾有のドラマを余さず伝える記念碑的長編である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

103
ミッドウェー後早々に引き揚げる大和と陸奥を尻目に最後まで救助に残る長門、艦内戦死者を10人に抑えた軍医は凄い。兄部の操舵はレイテで巧みに弾をかわした。やはり戦艦は戦力外、帝国海軍は前代未聞の一方的敗北を喫した。米国のVT信管の成果は絶大で、民間のテクノロジー浸透度は重要。どの艦よりも死者を抑えて生き永らえても厄介者扱いされ、消極策を施される長門。「最強」の四半世紀後は「特記事項ナシ」。しかし、国民の命を奪った二発の原爆に不屈の姿勢をみせ、看取りも救済も拒んで孤独に沈む長門は「日本の誇り」として誠に天晴れ。2023/03/31

hayatama

7
阿川は「保守派」文化人として知られたヒトだが、「リベラル」だった海軍に郷愁を抱いている。今の日本では「保守」と「リベラル」という対立軸ももう成立しなくなっているのかもしれない。(「保守」と「革新」という対立軸は聞かなくなって久しいし。)さて、その阿川が今の日本を見てどう思うのか。世論の「保守化」をいうヒトもあるが、本当にそうか?今の状況を「保守」という言葉ではくくれないと思う。今年は真珠湾から75年の節目。このあと、この国は一体どうなっていくのか、非常に不安。8月15日には城山を読もうと思う。2016/07/13

NICK

7
真珠湾攻撃から敗戦、そして長門の墓標となるビキニ環礁の核実験まで。日本の誇る大戦艦として鳴り物入りで就役した長門だったが、航空機が主力となっており、もはや活躍の場はなく、後方待機で燃料を浪費していくだけだった。最終作戦にも参加できず横須賀鎮守府の浮き砲台として終戦を迎えたというのは在りし日を思えばあまりにも惨めである。長門の栄光と没落はある意味で日本の姿の引き写しだったのかもしれない。生涯にたった一度しか砲撃戦をしなかった大戦艦長門。思えば抑止力として抜かずの刃であった方が長門にとっても幸福だったのでは2014/05/27

kiiseegen

5
再読。ビキニ環礁にて眠る軍艦長門。一回目の核実験では沈まず、二回目で徐々に沈み始め夜間ひっそりと姿を消した。大戦中、旗艦も務め生き永らえた艦の意気地。また読み直したい。2024/07/14

トラッキー

4
太平洋戦争突入から、戦後米国の原爆実験台にされ、ビキニ環礁で沈むまでの最終章。誰もが半ばでもう勝てないと悟っている戦争を、早く止められない日本の弱さ。勝てる作戦がもうないから、前線に出して死なせてくれと嘆願する、作戦責任者は、典型的な日本人だか、自分は死んで満足でも後に残された者たちはどうなるのか?自由豁達だった海軍内でも、誰もが思っている早期終戦を言い出せない雰囲気ができてしまうことの恐ろしさ。今の日本が同じ過ちを繰り返さない保証がないだけに、本当に恐ろしい。2019/04/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/520340
  • ご注意事項
 

同じシリーズの商品一覧

該当件数3件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす