内容説明
絵を見ることが好きな人へ。絵を描くことが好きな人へ。そしてすべてのひとへ。この本では、画家の心に焼き付いた22人の画家についての思いを語りました。それは、みんな自分の考えで絵を描いた人です。職業として画家を名乗る人ばかりではありません。この本からは、自分の目で見て、自分の頭で考えた画家たちの姿が見えてきます。初めて外国に行った日のこと、この絵を見るまでは死ねないと思った絵のこと、人類最初の絵を洞窟の中に見に行ったときのことなど、画家たちを尋ねる旅の中で垣間見せる、普段着の著者の絵に向き合う姿勢も見所の一つです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
127
安野さんがご自分の好きな絵画作品を一堂に集めて安野光雅美術館をつくっているような気がしました。作品もカラフルにしてありわたしも一緒に鑑賞しました。最初に私の好きな大原美術館のセガンチーニの作品を持ってこられているので一気にこの世界の虜になりました。私の知らないロックウエル、ピロスマニとか東勝吉の作品もよいものでした。2019/11/12
Ikutan
59
絵が好きな人に見てもらいたいという安野さんの思いがいっぱい詰まった一冊。ゴッホやモディリアーニなどの著名な画家の作品からラスコーの洞窟画、老人ホームに入所してから絵筆を握ったという素人の作品まで、たくさんの写真と共にその魅力がぐっと伝わってきます。ブリューゲルの作品の解説などはとても詳しく、実物を観てみたいと思いました。それぞれのエピソードは興味深く、所々脱線するのが安野さんらしくて思わずクスリと。一番気になったのは、ロックウェルの作品。読後検索しちゃいました。表紙はクレー。この本は手元においておきたい。2016/07/28
とよぽん
30
安野さんは、これまで世界のいろいろな所を訪ねてこられたことが分かった。いにしえの画家の生誕地や活動拠点、お墓など、車に乗ってフットワークよく探究していらっしゃる。79歳から絵を描き始めた湯布院の画家、東京上野にある冠商店の店主の絵も紹介されている。絵を習ったことのない人が、安野さんを感嘆させる絵を描いた! ということに驚いた。戦後、倉敷に出かけたとき買った一本の絵の具、セルリアンブルー・・・あれは希望の色だった、という文も印象に残った。2019/11/28
風に吹かれて
21
2016年刊。他に囚われず自由に描く画家が好きだった安野光雅の回顧的画家を巡る旅。 「画家」と言っても範囲は広く「画」家である写真家も含んでいる。本をパラパラ眺めて、なぜ谷川俊太郎の全体像の写真が載っているのだろう、と思っていたら、野田弘志という画家による筆の跡を一切残さない肖像画だった。映画の奥深いシーンを描いたようなリアルなノーマン・ロックウェル(『サタデー・イブニング・ポスト』の表紙を手掛けた)、➡2021/02/10
tama
16
図書館本 安野さんが体験した画家のこと 野田弘志の谷川俊太郎すごい!小村雪岱の最後の文で「晴信、広重、北斎よりも情緒があり、雪岱の考え方、作品の佇まい、態度、物腰まで含めて雪岱が好き」と言い切ってる。面白い。ノーマンロックウェルをよく採り上げてくれたと思った。「登場人物が何を考えているかを描こうとしている」賛成!!気になったのはゴッホの章で緑の麦畑と黄色の菜の花畑と書いてあること。色が逆転してませんか?セラフィーヌは2010年に映画で見ました。ジャンルに関わらず創作やる人に読んで欲しい本。2018/08/06