内容説明
意気と芸を重んじた町・江戸を圓生が散歩!
持ち噺の多彩さで史上最高と賞賛された六代目三遊亭圓生にとって、江戸は“心のふるさと”である。
お洒落で、美味好きで、好色で、意気と芸を何より重んじた町・江戸。落語の世界と圓生自身の思い出に残る“江戸”を訪ねて、そこに残る「路地の暮らし」を縦横無尽に綴ったエッセイ。
下巻では、芝、麻布から本所、深川へと足を伸ばす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gibbelin
3
色町、賭博なんか、現代的視点からするとアンダーワールドですが、江戸の伝統ですよ。冷静に観察する見識は流石の寄席育ち。でもって、「おかふい」の口調が出くるところがあって、「師匠だって、『おかふい」』みたいな噺をするじゃあありませんか」っていった、談志師匠を思い出した。2016/10/17
でろり~ん
2
落語ブームとかいう表現があって、これまでにも数回メディアで取り上げられたりしましたが、こういうのを読むと、流行り廃りじゃなくって庶民文化だったんだろうなあと思いますね。話のうまい人がその技を磨いて、世間のああだこうだを聞かしてくれるんですから、別に笑うような話じゃなくても何というのかツリコマレルみたいな感じがあったんでしょうねえ。「これで何かを学ぶようなこともないでしょう」と圓生さんはおっしゃいますが、なかなかどうして、しみじみと感じ入った次第でございましたですよ。大満足の一作。2017/05/03