手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで

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手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで

  • 著者名:斉藤道雄
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • みすず書房(2016/07発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 780pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622079743

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内容説明

手話という少数言語。手話が存在することによって、聞こえない子――ろう児は、ろう児として、そのままの自分で、聞こえる子とおなじように学び、遊び、よろこび、悲しみ、育つことができる。日本語と対等の力をもつ手話という言語があるから、聞こえないことは障害ではなく、むしろ少数派なのだといえる。
日本のろう者・ろう児の母語である「日本手話」で授業を行い、手話と日本語のバイリンガル/バイカルチュラルろう教育を実践する日本初にして唯一の学校、明晴学園。著者はジャーナリストとして前進であるフリースクールの立ち上げから関わり、のちには明晴学園の内側に身をおいて日本手話と日本語、ひろく言語の世界に思いを向けつづけてきた。
ろう教育の歴史、手話という言語が乗り越えてきた、そして今も向き合っている困難、言語学からみる手話、人工内耳など近年の最新動向……ろう者・ろう児とその親、教育者、日本手話の話者・通訳者、手話言語学の研究者など多方面へのインタビュー、欧米の事例や研究成果、国内外の文献、そして何より「手話を生きる」子どもたちのことばをとおして、過去から未来へ現在進行形で変わりつつある手話の世界を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shiozy

31
「デフ・ヴォイス」の著者丸山さんお勧めの一冊である。日本手話を採り入れた日本で唯一のろう学校「明晴学園」理事長の書である。手話が母語であるろう者にとって、日本語は第二言語に過ぎない。しかし、ろうの教育現場では手話は厳禁。無理やり発語することを強制されてきた。(口話法) 慣れない口話法を身に着けた少女がいた。かなり流麗にしゃべることだ出来る。その彼女が言った。「きれいにしゃべることが出来ても、その音は私には聞こえない」。なんたる矛盾であろうか。2016/07/12

ばんだねいっぺい

24
「手話」をめぐる状況のはなしが分かりやすく書かれている。 英語、フランス語、日本手話のように、何気なく言語のひとつとしてごく自然に並ぶ日が来ることを望む。2016/05/04

おおにし

20
この本は小説「デフ・ヴォイス」を読んでいなかったら読むことはなかったと思う。ろう者は聞こえない自分を大切にしていること、日本手話は少数言語ではあるが、言語体系がてきていて決して不完全な言語ではないこと本書で再認識できた。ろう児たちが中途失聴者の話を聞いて、自分たちも病気で聞こえるようになることがあるのかと心配したという冒頭のエピソードで、ろう者と聴者の生きる世界の違いをまざまざと感じさせられた。2016/08/14

みっふぃー

16
お気に入りさんの読みたい本から。図書館。手話サークルに行ってるので気になって読んだ。ろう児が、耳が聞こえるようになったらどうしよう。と思ってることからはじまり、いろいろ衝撃だった。ろう者も聴者とコミュニケーションとるためには、手話よりも口話が必要と思ってたけど、手話の前に日本語や口話をおぼえてしまうと、考える力もなくなってしまうこと。いろいろ考えさせられた。私の理解力がとぼしく、論文ぽいとこはとばして読んでしまった。ごめんなさい。2018/12/25

vaudou

15
ろう者、ろう児という人々(聴覚障害者で手話を使う人)、そして手話という「言語」の歩みについて書かれているが、知らないことの多さを痛感する。著者の斉藤氏は日本で唯一、全面的に手話を取り入れた授業を行う、ろう学校の理事長だ。耳の聞こえぬ子供への教育はどうあるべきか。少しでも聴者と対等にという理念に則って教えてきた口話法の歴史は成果を上げていると言えるのか、ろう者と同じ目線で疑問を投げかける。ろう児教育に携わる専門家の間にも、手話への偏見があるというが、母語としての手話の可能性にもっと目を、そう著者は主張する。2016/12/23

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