内容説明
足を踏み入れたら決して抜けだせない、狂気と快楽にまみれた世界を体感せよ!奇才・中原昌也が「文学」への絶対的な「憎悪」と「愛」を込めて描き出した、極上にして待望の小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
100
39
「スカ」を体現する事を忘却した表現者としての純粋さ溢れる短篇集。2022/07/17
ちぇけら
23
下痢のような吐瀉物、あるいは吐瀉物のような下痢。下痢よりも下痢、吐瀉物以上の吐瀉物。お分かりとは思うが褒め言葉である。実際この小説はそうとしか呼べない物語の大波で、脳汁とともに垂れ流される性欲と自意識が思考という思考をすべて彼方へ流し去ってしまうのだから、感想という高等な言語体系など生まれるはずがない。……と言うのは下等生命体の言い逃れにすぎないだろう。あとがきで「次は他の作家の本を買ったほうがいい……例えば伊坂幸太郎の本とか」と言っているので伊坂幸太郎を薦めるが、ぼくは中原昌也の小説を大切にまたひらく。2019/08/01
Yusuke Oga
20
「嫌ですよ、こんなもの!気が滅入るだけで、読んで何もいいことがない!いい加減にしてくれ!もう何も書かないでいいから、とにかく読みたくないんですよ。先生の書いたものなんてのは!私の好きなのは保坂和志先生みたいな人格者が書いた小説みたいなのなんですよ!夏のボーナスでよければ全部あげますので、お願いだから読ませないで。」2014/07/05
しゅん
12
構想があるようでない。ないようである。ある種のジャンクさがあらかじめ奪われているものが文学だが、実際は文学こそがジャンクの集まりじゃないか。という逆転。読んでいくうちに読んだものをどんどん忘れて遠いところへ行く感覚があったので、タイトルは言い得て妙だなと思う。2018/08/31
モッタ
11
★★☆☆☆ まだ僕には理解できない世界観です。中原昌也の短編が詰まった本。「考えるな、感じるんだ!」と書かれた帯がつけられている。何年後かにまた読むと少し違った捉えた方ができるのだろう。2012/08/11