小学館文庫<br> 船に乗れ! II 独奏

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小学館文庫
船に乗れ! II 独奏

  • 著者名:藤谷治【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 小学館(2016/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094063011

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内容説明

衝撃の展開に目が離せない、急展開の第二部。

 音大附属高校の二年生に進学した津島サトルは、ヴァイオリンの練習に励む南枝里子の姿に触発され、チェロで芸大を目指す決意をする。同級生たちが優秀な新一年生たちに焦りを覚えるなか、サトルは祖父から、ドイツ・ハイデルベルグで二か月間チェロを学んでくるという機会を与えられる。
 ショックを隠し切れない南だったが、出発前には「ドイツで楽譜を買ってきて」と笑顔で送り出されたサトル。しかし意気揚々と帰国した彼は、思わぬ事態に巻き込まれていく――。
 若さゆえの自我の暴走が、オペラやオーケストラの名曲と共に切なく描かれる。一気読み必至の第二巻!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まるる

54
1巻がキラキラ眩しすぎて2巻が辛い。つらい、つらい、つらい。熱に浮かされていたような幸せな時間から、自分の音楽のレベルを自覚し、裏切られ、卑怯者になってしまったサトルがつらい。自分の気持ちをどうにもできなくて行動した結果、音楽を諦めることになってしまった南がつらい。あの輝いていた時はもう二度と戻って来ない。金窪先生の「なぜ人を殺してはいけないのか」の授業がとても良かったのに、もう登場しないのかと思うととても残念だ。2016/09/13

ユメ

37
若さゆえの傲慢、荒ぶる自意識と真正面から向き合う巻。自我の暴走が招く悲劇は読んでいて辛いけれど、これも青春を描く上で避けては通れない一面なのかなとも思う。サトルがドイツへチェロを学びに行くことが決まったとき、枝里子が叫んだ言葉の悲痛さが忘れられない。ただ才能があるだけでも、努力を怠らなくてもだめなのだという音楽の残酷な現実。どん底に突き落とされたサトルが最後に弾いた、この一年の全てを含むようなラフマニノフが、こんなときでも容赦なく美しい。音楽は、そして人生は、独奏だけではないのだという事実を噛みしめた。2017/05/09

たるき( ´ ▽ ` )ノ

33
Kindle Unlimitedにて。嫌気がさすような出来事があり、読むのをやめようかと思った。哲学的な部分はかなり読みづらく、逆に演奏シーンは臨場感があって好き。2023/10/11

メルル

24
いつまでも純粋ではいられない年頃。南の音楽への思いは凄まじく、津島に対する嫉妬とそれに反するよう抱える愛しさ。どうにもならない気持ちがそうさせたのだろうか。情熱は時に人を壊してしまうのか。津島のどうにもならない気持ち。高校生にはどうすることもできないだろう。気持ちを整理できないまま、八つ当たりとも思える行動にでてしまう。これは一生許されることのない罪。「なぜ人を殺してはいけないのか」これは一定の解答を得たような気がする。納得させられてしまった。2016/08/29

鏡也

15
二冊目。音楽をやるには金とコネ…という高校生には重たい現実が突きつけられる。サトルはドイツに短気留学することになるが、恋人の南はそれに反対する。二人の運命がどうなるのか…。ラストは、個人的に鬱展開でげんなり。2016/11/16

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