内容説明
伝説の「青春三部作」三作目が待望の復刊!
青春は不滅だ!!
名著復刊! 伝説の「青春三部作」が現代に甦る。
前任者の突然の退社により、右も左も分からないまま、デパート業界誌の編集長となってしまった松尾勇は、酒場でケンカをして留置場に入れられたり、先輩社員たちとの麻雀で大負けしたりと、慌ただしい毎日を過ごしていた。そんな松尾の心の支えとなっていたのは、親友の町田を通じて知り合った海老名千鶴の存在だった。
徐々に仕事のコツをつかみ、念願の部下もできた松尾は、さらなる野望に向けて新たな一歩を踏み出した!
『哀愁の町に霧が降るのだ』『新橋烏森口青春篇』に続く自伝的青春小説の傑作が復刊。巻末には作家・宮田珠己さんによる特別寄稿エッセイも収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
23
読み始めはピンとこなかったが後半になるにつれ加速度的に面白くなった。椎名誠の自伝的青春小説三部作。お酒を飲んで失敗したり、お金がなくてキャベツと玉ねぎ生活をしたり、やっちゃうんだろうなと思っていると、その通りになってダメな反面、仕事は新しい局面になりこれからが面白そうだ。2016/08/12
まあ
9
椎名誠、青春三部作完結。全く成長を感じられなかったのが魅力的だった椎名誠の自伝的青春三部作でしたが、ここにきて急激な成長がありました。でも、そこには読者である僕の戸惑いや不安は皆無で、成長しない椎名誠も好きだったけど、成長していく椎名誠も大好きになりました。四部作とは捉えられてはないですが、まだこの後の続きも出版されている様です。もうそこは青春が終わって人生が始まったから青春四部作って言わないのかもしれません。2016/07/18
まあ
8
去年から再読を始めた椎名誠の学生時代からサラリーマン時代を綴った私小説もこれでおしまい。青春小説三部作で語られることもあるけど、部下が出来て編集長になった様子が描かれる本作が甘酸っぱい恋もあり、部下と絆を深め、困難に立ち向かうところなんか、一番に青春を感じたな。どうやら、そのあと、会社員を辞め作家になる様子が描かれてあるものもあるらしい。読みてえ。。小学館文庫さん、こちらも復刊お願いします!2019/07/13
Hisatomi Maria Gratia Yuki
6
相変わらず血湧き肉踊るサラリーマン小説だった。女友達未満の彼女との長い期間にわたるすれ違いあり、初めての部下との時間はかかるがバディになっていく過程などが興味深い。特に後者は、結局どこでもずっと下っ端で、はっきりした部下というものを持たずに五十路も近づいているので、面白かった。あと、初読のときにも思ったんだけど、そして今回の文庫版あとがきの人も書いているんだけど、結局主人公が会社を辞めずに終わるのに肩透かしを喰らう。2016/08/05
のげぞう
3
椎名さんの若い頃、会社勤めをしていた頃の出来事を書いた本。2016/07/20