内容説明
上野のお山に事件の風。
姑の嫌味もなんのその、新任の人情同心大奮闘。
将軍家の菩提所、上野の山を守るのが山同心の仕事。
生真面目で人のいい禎次郎の初出仕の日、お山で百姓風の奇妙な三人組が……。
八丁堀同心の三男坊・禎次郎は縁があって婿養子となって巻田家に入り、吟味方下役をしていたが、将軍家の菩提所を守る上野の山同心への出向を命じられた。初出仕の日、禎次郎は姑の嫌味を聞き流しつつ出かけ、お山で三人の怪しげな百姓風の男たちが妙に気になった。これが世を騒がせる“事件”の発端であった……。我らが婿殿、大奮闘！ 新シリーズ第１弾！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
74
婿殿は山同心｢世直し隠し剣｣１巻。八丁堀の三男坊禎次郎、巻田家に婿養子に入り、なれない上野の山同心を拝命、姑の嫌味なかなか打ち解けない嫁との関係どうなることかと思いきや後半はほのぼの感が・・・隠し剣の出番が少しだけでしたが楽しみですね。2019/12/18
あけぼ乃
4
シリーズものと謳っているのに1巻のうちに主な登場人物の様々な過去が明らかになるのは珍しい気がしてスッキリと読み応えがある作品に思う。読み終わる頃にはお姑さんへの印象が変わったし訳ありに見えた人物が実は……のお約束展開が楽しかった。おにぎりの具に人情を仕込む同心に私の心も暖かくなるし五月さんも素敵な人だなぁ……と思う。婿殿！の響きを聞くと菅井きんさんの声が再生される条件反射は令和でも健在です2019/05/25
藤よい
3
主人公はごく普通の同心。剣が強いのかと思いきや、少し小柄を遣うだけ。カッコいい訳でもないのですが、だんだんと馴染んできました。姑の嫌味な感じが少々、癇に障ります。お婿さんは大変ですね…。 妻の心の内を知った後の禎次郎の変化が楽しみです。 2019/11/27
ひさか
3
2015年6月二見時代小説文庫刊。シリーズ1作目。上野の山同心を拝命した婿養子の禎次郎が現代風の考えをする人で、行き会う人々や養子先の妻や家族との関係が面白く、楽しい。タイトルはちょっと合わないかな。次作が楽しみ。2017/09/28
Masashi Matsuba
2
将軍家の菩提寺の守り役という役目も変わっているが、田沼意次が悪者として描かれていない話も「剣客商売」以来だ。同心の三男坊で婿養子になった禎次郎の環境も面白く、生い立ちからの放っておけない性格もあってなんのかんのと人の世話を焼いてしまう。慕う人も多く出てきそうで、次作からの展開も楽しみだ。2015/07/06
