内容説明
手を汚さずして海峡に覇権を及ぼす、ニザマの宦官宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座したのは、宦官宰相の専横に甘んじてきたニザマ帝、アルデシュ、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師の行方は?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。
目次
第四部 ニザマ、アルデシュ 円卓会議と双子座の館の対決
38 わぼくのえんたくはにざまにしのりきゅうに
39 まつりかさまはにざまていのいしをごぞんじ
40 このがくではたしてなにがあがなえる
41 しんせつのやまみちにこっきょうをこえ
42 みとぅなのきょじょうにつくまえから
43 さいじょうかいにはあかりはなく
44 はながさけばあらし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
230
単なる勝敗や成否ではないところに長々と焦点を充てた作品は稀ではないかと思います。「別れと旅立ち」が本巻のメインでありように感じました。しかしこの「別れ」はむしろ、任務を果たし成長するための海外修行であり、いずれ必ず図書館の魔女の下に帰って来るという使命であるところが何とも微笑ましく且つ、図書館の魔女ではなく女王としてのマツリカの姿が見えたような気がしました。2025/02/17
さばかん
178
クライマックス。そしてエピローグ。 喜怒哀楽が盛り沢山。 三国会談の円卓会議。 そして第一巻以来の戦闘。 衝撃の事実。 凱旋帰還。 そしてお別れ。 面白すぎました。壮大で緻密で濃厚で深淵で昂る。2016/06/16
凛
144
一ノ谷、ニザマ、そして、アルディシュによる円卓会議。マツリカの利き腕の自由を奪った刺客「双子座」の館での対決とそこで明らかになった事実。そして、いくつかの別れ。どの場面にも言葉が惜しみなく使われ、言葉の持つ力を感じさせられる。確かに届かない言葉もあった。けれど、届いた言葉も間違いなくあり、それは何かを大きく変えたのだ。それはきっと図書館の魔女であるマツリカをも。このシリーズは再読であっても、読み終えてしまうことが寂しい。やはり私はこの世界がとても好きなのだなと思いつつ、今年刊行予定の三作目を楽しみに待つ。2016/06/03
hnzwd
141
図書館の魔女マツリカと、彼女を護る少年キリヒトを描いた大長編の最終巻。四分冊にもなる小説を読むこと自体がかなり久しぶりでしたが、物語世界の完成度が高く、ペースを落とさずに読み切る事ができました。色々、次に繋がる物を放置して、取り敢えず物語を完結させてるので、、これは続編を読まないと。でも重いので文庫待ち。2017/02/10
ゆのん
136
最終巻は次から次へと試練が降ってきてハラハラし通しだった。三国間会議に続きマツリカの左手をなきものにした双子座、疫神やシユウとの戦いなどなど。「あぁ、良かったぁ」と安心する側から次の試練。600ページ超なのにあっと言う間に終わってしまった。またニザマからの復路時の船上でのやり取りやバーシャやキリヒトとの別れなど後半は涙・涙・また涙だった。これがデビュー作とは驚きと共に今後が楽しみでしょうがない。大スペクタルなストーリもだが「言葉」について沈思させられた。2017/09/05