新潮文庫<br> レ・ミゼラブル(五)

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新潮文庫
レ・ミゼラブル(五)

  • ISBN:9784102117057

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内容説明

第五部「ジャン・ヴァルジャン」。1832年6月5日、パリの共和主義者はいっせいに蜂起し、市街戦を展開する。その中にはマリユスへの嫉妬を抱えながら、傷ついた彼を助けるジャンの姿もみられた。やがてコゼットとマリユスは結婚。その翌日ジャンはマリユスに自分の素姓を明かし、コゼットと疎遠な生活を送りはじめた……。時代の趨勢と永遠の愛を紡ぐ大長編小説、怒濤の最終巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

394
前半は6月蜂起の承前、後半はこの長編小説の大団円。概ね予想通りというか予定調和へと向かって行ったのだが、ジャヴェールの最期はやや意外だったか。ジャヴェールの逡巡だけで1章を費やし、パリの下水道についても延々と講釈が続くのには読者ももう慣れっこであろう。感動的な結末といえばまあそうだが、やはり通俗性は否めない。この作品が名作の誉れ高いことにも異論はないが、スタンダールやバルザック、ましてやフローベールの小説世界と比べると、そこに大きな跳躍があったことがうかがえ、それもまた興味深い。2022/05/20

ヴェルナーの日記

193
ジャン・ヴァルジャン。嵐の如くやって来て、朝霧が消えるように去っていった。コゼットの幸せのために自身の感情を押し殺し、彼女から距離を取っていく。物語で語らる彼の半生は、常に自身との心の葛藤の連続であった。しかし、ジャン・ヴァルジャンは負けなかった。最後の最後まで自身の弱い心にうち克った。その強靭にして偉大な精神・魂は如何にして造られたのどうか?レバノン出身の詩人・画家・彫刻家・哲学者のハリール・ジブラーン(カーリ・ギブラン)は言った『最も強い魂は受難から生まれる。最も大きな人格は切り傷に覆われている』と。2016/09/27

ケイ

146
1832年6月のバリケードの失敗。ユゴー自身が見聞きし体験したものだから、情緒溢れる語りとなっている。その時に命を落とした名もなき者達のための鎮魂歌のように響く。そしてパリの下水道について、糞尿を流してしまい肥料として再利用しない愚かさを説いている。彼はトロイ戦争のヘレナにコゼットを例えもしている。しかし、私はコゼットもマリユスにも、呆れてしまうのだ。以前読んだ時には彼らの無知ぶりにだったが、今回はあまりにも受動的で、哀しみにはただ泣くばかりだからだ。これでは、王政復古の貴族らと変わらない気もする。2017/10/09

ペグ

106
この長大な作品を読破したという達成感が半端なく、脱力。登場人物がわかりやすく描かれているとはいえ、間に挟まれる政治、社会情勢、宗教などなど〜この部分が非常に長い為なかなか物語が進まない。しかしユゴーにとってこの部分を描かなければ「レ・ミゼラブル」という作品は成立しなかったのだろうとも思う。1人の小説家というだけで無く詩人であり政治家であったユゴーの溢れ出る才能に耽溺した。2020/12/13

扉のこちら側

85
初読。2015年1116冊め。【68-5/G1000】すべての伏線がきれいに回収され、圧巻の結末だった。惜しいのはジャン・ヴァルジャンの死で物語が終わるところ。物語としてはその方がドラマチックだけれど、陳腐と言われてもコゼット夫妻と幸せな老後を過ごしてほしかった。最期は銀の燭台に照らされて。【第6回G1000チャレンジ】【新潮文庫の100冊1996】2015/11/07

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