内容説明
髪は黒繻子(くろしゅす)のようにつややか。色白の瓜ざね顔に、さくらんぼのように丸く赤い口唇で、紅(べに)や白粉(おしろい)に汚されることのない素顔美人。谷中・笠森稲荷の茶汲娘・鍵屋お仙は、江戸で評判の人気者だ。推理の冴えと悪を許さぬ心、袂(たもと)に隠した飛礫(つぶて)を武器に、お江戸の闇に光明を照らす。鈴木春信の錦絵や、短歌、川柳を背景に、風情溢れる人情派娘捕物帳。好評時代連作シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のびすけ
24
笠森稲荷門前の水茶屋の看板娘お仙が、身のまわりで起きる事件や謎を解決する人情ミステリーの連作短編・第2弾。実在する鈴木春信の錦絵と事件に関わる登場人物が物語の中でリンクする面白い構成。事件の背景にある人間模様と人情味溢れる結末。4編すべて面白かったけど、中でも「爪紅お駒とはたた神」が印象的だったかな。お駒の優しい心根にほろりとさせられた。2021/09/21
藤よい
5
シリーズ2作目。登場人物たちにも馴染んできました。袋耳の忠公が良い仕事をしてて1話目の最後、遊女梅若の読売は面白かったですね。2019/11/24