内容説明
都会への憧れ、くどい人間関係、楽しみは街道沿いのチェーン店……。
コラム誌としても人気の高い「TV Bros.」の人気投稿企画「イナカ川柳」が一冊に!
都会からは考えられない田舎のいまを、ときに憎しみを、ときに愛情を、ときに哀切を持って描き出す川柳コーナー。
約10年にわたる連載から、傑作・怪作・珍作を精選、約400句を一挙収録!
・プチ家出 街まで100キロ プチじゃない
・ごじゃっぺを 言ってんじゃねえよ デレスケが
・今日だけで ジャンボ尾崎を 5人見た
・西友と ジャスコとサティと 西友と
・寒いとか そんなレベルの 話じゃねえ
・気がつけば 隣の嫁は 外国人
・用水路 プカプカ浮かぶ クロックス
・猪は 速い固い 止まらない
・スナックで ママと社長が メルトダウン
東京周辺に住む人たちは人口の1/4にすぎません。この本には3/4の日本人のあるあるネタが揃っています!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
131
グローカル化か・・『はじめに』を読んで、うんうんと肯きながらもまだやっぱり違和感も。まだまだ田舎の発信力が増す時代は遠いよ。本当の田舎には若者は少ないし、インターネットより、年寄りネットが幅を利かせている(汗)都会に近い田舎と遠い田舎の温度差も感じる。この川柳の数々は、本当に悲喜こもごもだ。明るく笑えるのも確かにあるが、明るさが妙に哀しかったりもするのだ。『東京に 続いている気が しない空』がお気に入り。まだまだ続編を期待したい。2017/07/05
mike
74
何だか哀愁を感じて単純には笑い飛ばせないのもあり、泣き笑い。・夜勤明け鹿と目が合うファンタジー・牛の乳いやらしく揉むうちの父・ウインカー左に出して右に行く・お返しのお返しのまたお返しが・うちの祖母1文字違い広瀬志ず・午後いっぱい相棒相棒また相棒2023/03/18
えむ女
52
笑った。でも現実だ。2017/06/27
けんとまん1007
52
いい味でてますね~。川柳なので、今のこの国の断面を切り取っていて、面白いような、でも、ちょっと哀しいようなところもある。いい悪いではなくて、いまの現実を、面白おかしく、ユーモアのセンスで描くからいいのだろう。どこかに、少しだけ、こころの余裕がないと、作れないと思う。これは、イナカ川柳でああるが、イナカ以外のものもあればと思う。それはそれで、切ないような気もするが。2017/06/24
bianca
39
川柳+編集者のツッコミまでが一作品。イナカ者からしたら、普通の日常だけど笑える。群馬のキャシーさんという強者投稿者がいて、7割くらい彼女の作品では?お気に入りは「客間にて 先祖の遺影が 監視する」本当に怖いです…。「カブトムシ 奴らのほうから うちに来る」うちの息子もいつもこの方式でひと夏のカブトムシを飼ってました。「フキばかり 天ぷら煮物で フキばかり」ちょこっとなら美味しいのかもしれないけど、イナカにはどっさりあって、食べろ食べろと言われるから嫌。フキノトウも嫌い。農作業も結局やってるしな(笑)2018/10/14