内容説明
第二次世界大戦中にB29の爆撃の中逃げた昭吾と、当時まだ2歳だった美未。夫の昭吾には、売れっ子のラブ・ロマンス作家となった妻の美未には口にしない、戦時中の熱い恋の思い出があった。一緒に爆撃から逃げ、結婚まで望みながらもそれが叶わなかったその相手――あぐりへの思いが、戦時中の景色と共に蘇る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
73
炎の中で差し伸べられている恋物語と思いました。戦争の記憶と現在の恋模様が絡む様子が美しい。戦争の記憶があるからこそ進む物語のように思えてなりません。「不倫」とも言うべき世界が描かれていても、全く嫌らしさを感じず、戦争と現在の恋が交差した物語として味わうことができます。下巻も読みます。2018/07/12
優希
51
面白かったです。炎の中で手を差し伸べてる恋物語という印象です。戦争の記憶と現在の恋模様が絡む景色が美しく感じました。かつての恋への想いを馳せる昭吾を見ているとこちらもしみじみしてしまいます。下巻も読みます。2022/01/20
牧神の午後
2
オールタイムベスト3に入る小説で、勿論、おせいさんへの追悼として凡そ四半世紀以上ぶりに再読。ぶっちゃけ今やとっくに主人公の一人、昭吾が再婚した年を追い越しているのだけれど、生涯未婚故未成熟でとても彼のような達観はできないなぁ、とこの年だからの読み方もしたり。でもなによりも、この本は昭和という時代に翻弄され、それでも一所懸命生きた女性達への賛歌でありレクィエムでもあって、あぐりさんの在りようがただただ尊いのです。上巻は大阪大空襲で滂沱だけど、下巻はその追悼でまた滂沱なのだろうなぁ。2019/06/16
水戸
1
軽妙な関西弁のやりとりがあり、重い話でも、そんなに圧がなく、また登場人物についても、すこし離れた位置で見ている感覚なので「はぁはぁ、なるほど」と、達観していられる。しかし、描写が絶妙。登場人物の戦争中の少年時代が描かれているところでは、なんでもないことのように、あたりまえの出来事だった雰囲気で綴られているので、その達観したような描写が逆にゾッとしました。タイトルの意味は、まだよくわからないかな。いろんな人の、こういう事情で、こういう性格だから、この人はこんな考え方なんですよ、というのが、さらっと伝わる。2017/10/10
まやま
1
最初の美未のエピソード、林真理子みたいな展開だなぁ、林真理子より毒が無いけど…、と思いながら読み進めた。昭吾の戦時中の話は、ちょっとくどいかなぁ、でも最近戦時中の話なんて耳にしなくなったなぁ もう70年近く前の話だもんなぁ なんて思いながら読む。そうこうするうちに、意外な展開に…。下巻が楽しみ。2011/12/02
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