集英社文庫 寂聴源氏塾

著者名：瀬戸内寂聴【著】

集英社（2016/04発売）

• ISBN：9784087463620

内容説明

『源氏物語』の本当の主人公はプレイボーイの光源氏ではありません。藤壷、葵の上、紫の上、夕顔、朧月夜、六条の御息所、浮舟などなど、恋に生き、愛に苦しむ女君たちの心情と迷いを、作者である紫式部は描きたかったのでした――『瀬戸内源氏』を訳しきった著者ならではの解釈に充ち満ちた「千年の名作」の最高のガイドブック。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[双海（ふたみ）]

光源氏のモデルは? なぜ夕顔に惚れたのか? 紫の上に子供がいないわけは? 当時の恋愛とは? など『源氏物語』を読んで浮かぶ素朴な疑問に応えてくれる一冊。「藤壺にとって、源氏との間に不倫の子をなしたという罪の意識にもまして苦しかったのは、我が子の冷泉帝を守るために源氏に対する自分の正直な想いを封じなければならなかったことではないでしょうか。」・「愛してはならない人を愛し、その人から愛されることなく子どもを遺して死んでいく…この哀切さを柏木という人物に託して描ききった紫式部の技量は見事と言うしかありません。」

2023/02/01

[桑畑みの吉]

2007年3月に単行本として刊行。瀬戸内版『源氏物語』の現代語訳者である寂聴先生(1922～2021年)が紹介するガイドブック的な構成である。自身と源氏物語の関わり、紫式部の生涯といったところを最初に解説。そしてなによりも力を入れているのは約200ページにわたるストーリー解説。平安貴族の文化や恋愛事情、複雑な人間関係が分かりにくい源氏物語であるが、先生のストーリー紹介は要点を押さえて理解しやすい。様々な著者の現代語訳を読む前に、一度本書に目を通せば、かなり内容を把握しながら読み進められるのではと思った。

2024/06/07

[まからぱ]

「あさきゆめみし」を読後、これを読み始めました。分かりやすい文章で、より深く源氏物語を理解することができ、興味がわきました。

2010/11/23

[射手座の天使あきちゃん]

光源氏と係る女性たちの愛と苦悩を解説、源氏物語のガイドブックですね　源氏物語を手っ取り早く大雑把に知りたい人はお薦めかも？　（笑）

[星辺気楽]

一度は世界遺産の源氏物語を読みたいと思い入門書を読んでみました。それにしても、すごいね源氏は。なんですか、この男。

2017/08/26