内容説明
大殿の落胤である己の出自と向き合うべく、ついに決断の時が来た。
「棟上げ祝い事件」で多忙な公事宿を手伝う若き侍に、藩江戸家老派から刺客が!
実父である大殿と藩のため公事宿の仲間と立ち向かう。
――公事宿のあるじ喜平も読みきれなかった「棟上げ祝い事件」の裏の裏とは?
理不尽に養父母の命を断たれた秋川藩の若き剣士は、矢野数馬と名を替え江戸に逃れ、公事宿暁屋で筆耕をしつつ、藩の内情を探っていた。折しも「棟上げ祝い事件」の公事に走り回る数馬のもとに従兄の新一郎が現れ、国元で大殿の隠し子が再浮上し、落胤たる数馬に江戸家老一派から刺客が向けられたという……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
12
最終巻。ロミオとジュリエット的恋も成就した。シンデレラストーリーとしてもびっくりするほどハッピーエンド。裏始末もほどほど。お家騒動もの、御落胤もの、公事宿もの、裏始末ものを絡めてこんなまとまりかたになるとは…。第一巻の緊迫感に満ちた状況からは想像もできないことだった。2018/03/17
ひさか
7
2015年2月二見時代小説文庫刊。シリーズ5作目にして最終巻。4作目をとばして読みました。能天気な大団円です。裏始末もお笑い方向になっていて、文句はないけど、今までの裏始末との落差が大きい。あっけにとられました。2017/07/28
めにい
6
大団円2016/07/04
あき
2
シリーズ最終巻。父親は濡れ衣で切腹、母親は主人公を庇って命を落とし、本人も名を変え命からがら逃げ延びるという殺伐とした出だしだったわりには、ラストはのほほんとした大団円。黒幕の江戸家老の処分も蟄居ですんでるし。もっと重い沙汰でも良かったと思うけど、七重や現藩主の奥方の父親だし、内紛を表沙汰にも出来ないからしょうがないのかな。2020/09/08
ごりごん
1
このシリーズは面白くてすっと読んで行けて気楽に読める楽しみの一つだったけど、これが最終巻? この話をもっとじっくり進め、内容も濃くして頂いたらもう1巻作れたんじゃないかな。 無理やりこの巻で終わらせるべく、サッササッサと持って行きすぎ。 あっけなくハッピーエンドになってしまった。 感動の湧く暇もない。 ちょっと残念。2018/08/23