内容説明
するときもちいい。求められると安心する。生きていてもいいというきもちになるみたい……。
両親を失い、兄夫婦と暮らす高校生、みどり。家も、学校も、うっとうしい。おし入れの中だけが、保健室のベッドだけが、安心していられる場所のような気がする。そんなけだるい日々のなか、みどりは誘われるままにひとりの少年と関係を持つ。
刹那的なつながりであってさえもひそむ温かさ。それを切実に求めようとする心……。微熱のような倦怠のなか、開かれていく性を描き、圧倒的な支持を得た問題作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
1
兄夫婦と同居しながら鬱屈とした日常を過ごしている高校生みどりの生活と視点、彼女が綱渡りする幻想を描いたこの作品は、間違いなく内田春菊の一番の傑作です。性描写も多く、癖のある内容のため、受けつけないひとは本当に受けつけないかもしれません。これもまた「生まれついた」人間のお話。どこにも居場所を見つけらずに漂っていたおんなのこが、自分の場所を探すためにとうとう自分の足で歩き出すまでの物語です。2005/04/15
読み人知らず
1
小林みのるの気持ち悪さがすごい。 2007/04/22
なおたん
0
うん、さすが内田春菊さんだなぁ、と。2012/04/16
きりだんご🐱新潮部
0
○ブックオフ2012/02/12
アキココナツ
0
行き場のない毎日、そんな毎日を少しでいいから変えたいという思い、諦めと冷静さとたまにやってくる暴走、そして夜の深さに降りていってしまう日々、みどりの揺れがとてもよくわかる。思春期の頃はわたしもこういう気持ちで過ごしていたし、昔よりは少しだけ器用に社会人をこなせるようになったものの、根本はきっとまだ同じ。2011/09/17