新潮文庫<br> 赤と黒(下)

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紙書籍版価格 ¥990
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新潮文庫
赤と黒(下)

  • ISBN:9784102008041

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内容説明

召使の密告で職を追われたジュリヤンは、ラ・モール侯爵の秘書となり令嬢マチルドと強引に結婚し社交界に出入りする。長年の願望であった権力の獲得と高職に一歩近づいたと思われたとたん、レーナル夫人の手紙が舞いこむ……。実在の事件をモデルに、著者自身の思い出、憧憬など数多くの体験と思想を盛りこみ、恋愛心理の鋭い分析を基調とした19世紀フランス文学を代表する名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

274
マチルドが夢見たのは失われた18世紀の貴族の振る舞いや生き方であり、ジュリアンの見ていたのは19世紀の夢だった。空想癖の強いこの2人の夢はとうとう交わることはない。また、強固な未来志向を持っていたはずのジュリアンは、激情に突き動かされて事が終わってからは、意外にも回想型に沈潜してゆく。今となってはジュリアンの情熱もまた、マチルドが求めてやまなかった、前世紀の失われた崇高な情念ということになりそうだ。50年後に評価を託したスタンダール畢生の大作は、180年経った今も孤高の山塊のように聳え立っている。2014/09/03

遥かなる想い

203
副題が 1830年代史 となっているこの作品、 第二部はパリを舞台に ジュリヤンの野望を 満たす闘いが続く。令嬢マチルドとの 駆け引き・心理描写は 面白い。 野望を目前にして 夢潰えたジュリヤンの 潔さ…身分意識が色濃く残るフランスの 時代風景が 上手く現代に伝わる、そんな作品だった。2018/05/04

優希

137
憎しみは長年の憧憬と表裏一体だったのだと思わずにはいられませんでした。職を追われたジュリヤンですが、秘書となり、マチルドとも強引に結婚し、権力と高職を手に入れたのですから。ただ、どうも情緒不安定を伺わせ、本気のようには見えませんでした。ただ、マチルドの妊娠で変わる流れが面白かったです。ジュリヤンは望みを得るための手段のみでのし上がったのかと考えさせられました。彼の本当の想いとは。ただ言えるのはマチルドが最後に全てを手にしたということかもしれません。2017/01/14

のっち♬

114
パリの侯爵の秘書になったジュリアンは令嬢との結婚と立身出世を目指すが、町長夫人の手紙により阻まれる。下巻では聖職者や貴族階級などの支配階級の腐敗をあますことなく抉り出していく。「どこを見まわしても、偽善か、せいぜいいかさまばかり」なこの堕落を冷静に観察しつつ逞しく生き抜こうとするジュリアン、その根底には王政復古時代の「黒」い闇の中でも真っ「赤」な情熱を燃やす小市民階級の青年たちに対する強い共感が感じられる。町長夫人とは対照的に高慢で気まぐれな令嬢との打算的な駆け引きや牢屋での独白も大いに引き込まれるもの。2017/09/29

蓮子

106
物語の舞台はパリへ。大貴族であるラ・モール侯爵の秘書となったジュリヤン。サロンに出入りし、そこで見たのは貴族達の退屈な生活と魔性の令嬢・マチルドだった。権力を手に入れようとするジュリヤンの頭脳戦と交わされる恋の駆け引き。しかしその結末は意外な形で彼を転落させ、断頭台へ。ジュリヤンは強すぎる野心と高すぎるプライド故に他者に心を許し、心から人を愛することは出来なかったように思う。彼が本当の幸福とは、愛とはどんなものかを知ることなく命を終えたのは不幸にすら感じた。本作が実在の事件がモデルになっている事に驚いた。2017/07/07

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