内容説明
なまめかしい肢体で男の精気を吸う妖女、高僧だけを喰らう妖物、尊氏(たかうじ)ゆかりの凶鳥(まがとり)……さまざまな怪異と遭いつつ、地獄さながらの世を行く一休宗純(そうじゅん)。旅を経て寺に戻った一休は、師・華叟宗曇(かそうそうどん)の危篤を知る。そんな宗曇の病床に妖怪が現われ、誰彼かまわず人間の影を食いはじめた!(「影わに」)一休はなぜ旅をするのか!? 膨大な史料と想像力が生んだ連作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5〇5
9
皆さんこんにちは。「レビューお便りリクエスト」のコーナーです。今日ご紹介するのは、千葉県の「サンキュー」さんのお便りです。【室町時代を舞台に、一休宗純が活躍する伝奇シリーズの一冊です。ここでの彼は30代で鋼のような肉体を有し、果敢に怪異へ挑む姿がカッコイイです。その怪異もバラエティ豊かで楽しめました。】さて、「サンキュー」さんのリクエストは、アニメソングで「とんちんかんちん一休さん」です。替え歌バージョンでどうぞ…2023/05/23
眠る山猫屋
8
再読。異形コレクションに掲載された一休宗純(あの一休さんですね)が様々な怪異と出会う様を、室町の平安とは程遠い闇と共に描かれている。文武両道で権力に媚びぬ一休と、その師匠との離れていても継承されている絆が羨ましいかな。2015/09/02
hroko
2
「一休暗夜行」の設定を引き継いだ、杖術アクションで冒険する「一休宗純」の短編集ですが、ちょっとした怪奇譚や禅の修行をめぐる嫉妬など、このシリーズの他の作品とは異なり、伝奇的な短編作品集になっています。法嗣をめぐる兄弟子養叟の嫉妬と確執、一休の禅境、師の華叟宗曇の若き日のエピソードを交えて語る「影わに」が良い感じでした。2013/10/13
あここ
2
30代働き盛りの一休さん。面白かったはずやけど何故かあんまり覚えてない・・最後の「影わに」は印象残ったけど。影をパクパク食べられてまうと死ぬ??見える??怖いな。。。それぞれの心の闇によって見えるものが違ってくる。サラッと「印可状」を断り続ける一休さんと、そんな行為を憎む兄弟子。高僧でも激しく人を憎んでしまう人間的とゆうかギラギラしてて僧とは思えないけど。一休さんみたいな人ばっかりでも立ち行かんのだろうけど・・・やっぱ惹かれるのは一休さんやね。それが分かってるから余計憎んでしまうのか。人間さほど変わらない2013/05/27
辺野錠
2
一休さんが大活躍する物語。とりあえず化け物退治も鮮やかだよ一級品。2011/03/31