内容説明
「北朝鮮音楽」で独裁国家の謎を斬る!
秘密のベールに包まれた国、北朝鮮。
その内なる声を聞くため、筆者は「音楽」という独自の切り口で
5年間にわたり、かの国を追った。
なぜ、北朝鮮の音楽は「歌謡曲風」なのか。
なぜ、北朝鮮では「ロック」や「ジャズ」は拒絶されるのか。
なのになぜいま、「ロッキーのテーマ曲」を美女楽団に演奏させるようになったのか。
そうして筆者はある結論に辿り着いた。
「政治のために音楽を利用したのではなく、音楽マニアが国を治めた」
“独裁者”かつ“音楽狂”の思想がいま、明らかになる。
【目次】
序章 モランボン楽団の伝説公演
第1章 ピアノ教師との個人レッスン
第2章 将軍様と音楽
第3章 金正日のミュージシャン
第4章 「自由の風」を許した金正恩
第5章 次世代の「音」を求めて
【ご注意】※この作品はカラーのページを含みます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
11
著者は毎日新聞記者。若い頃ミュージシャン(電子音楽。キーボード)を目指すが断念。理工系大学に再入学するもバイトで入った報道の世界にひかれ毎日新聞に入社。大阪支局時代は府警の暴力団関係に。その後、毎日新聞が北朝鮮ウォッチの特派員を置くことが決まり、それに志願した、という面白い経歴。金正日・金正恩の音楽政策をレポートしている。なるほど、北朝鮮では音楽は余暇ではなく、国家的な文化事業のままなんだな。かつての日本でも、少々余裕ある家庭にはアップライトのピアノがあったもんだが、ああいう感じ(あるいはそれ以上2019/10/10
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
10
面白かった。奇抜な内容。ラジオ長距離受信の趣味があったので北朝鮮プロパガンダ音楽の異様さには昔から気付いていた。独特の音楽がどのような経緯で制作されてきたのかが詳しく述べられている。著者が北朝鮮音楽家にピアノを習いに行く件は笑える。金正日〜正恩時代に音楽の傾向が変化し続けていることにも気づかされた。紹介される曲をYouTubeで確認しながら読み進めると良い。曲名のカタカナを読み上げGoogle翻訳にかけるとハングルが出る。それをYouTubeにコピペして検索すると出てくる。脳内リピートする曲すら現れる。2020/08/06
チェアー
6
自らの生い立ちを絡めながら、北朝鮮での主流の音楽の変遷を通して、国の行方を探る。変遷はあっても、音楽をプロバイダとして扱い、表現を抑圧することには変わりないと。しかし、うまく一本の線としてつながらず、未消化な感じが残るのはなぜなんだろう。2016/03/24
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
3
モランボン楽団の「行こう白頭山へ」は日本の金剛山歌劇団も熱唱していた。頭の中でループで流れる曲。さすがよく練られているな…。2017/07/23
尾原道場
3
youtubeで、早速モランボン楽団みたけどすごいねえ。2016/04/02