華族誕生 名誉と体面の明治

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華族誕生 名誉と体面の明治

  • 著者名:浅見雅男【著】
  • 価格 ¥1,155(本体¥1,050)
  • 講談社(2016/02発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062922753

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内容説明

明治二年に誕生し、現行憲法の発効と同時に消滅した華族制度。そこでは誰が華族となり、「公侯伯子男」の爵位はどのように決められたのか。また、爵位をめぐってどんな人間模様が描き出されたのか――。豊富なエピソードをまじえて華族制度の誕生を解説し、歴史上の意義を問う。実体が忘れられて久しい、名誉と体面の保持に拘泥した特権階級に光を当てた、華族研究の必読書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

17
明治2年に成立した華族制度について、扱う。かつての公卿・諸侯に加え、維新の功臣なども加えたこの身分に成立期に、様々な矛盾があったことを、具体的な例を挙げながら紹介する。特に嵯峨実愛が伯爵位に不満を度々漏らしていたことなど、面白い。ただ、あとがきで公卿・諸侯華族がその後冷遇され、下級士族に追われていき、「徒花」として終わっていくと結んでいるが、「はじめに」で「日本の華族について爵位を中心に考えてみようと思う」という問題意識と若干のズレが生じているように感じる。註が無いのも少し読みにくい。2021/05/11

yendows

3
華族の格付けをする話が殆どだが、それぞれが勲功や公卿、諸侯としての家柄を誇りを元にクレームを言い、制度としてまとまっていくまでが語られる。嵯峨実愛、松平春嶽のくだりは面白い。2018/10/22

うたまる

2
明治から昭和の間にのみ存在した特権階級、華族。本書はその成立と陞爵運動に焦点を絞った研究書。四民平等を謳ったはずの明治新政府が敗者をも糾合するため新たな特権階級を創ったことは、皮肉的だが致し方なかったと思う。しかしその天与の機会を活かせず、ただ陞爵運動や金銭の無心、体面の保持だけに汲々としていたのは、余りに醜悪。ましてや「私をもっと重んじろ」という主張の根拠が先祖の功績とは何とも情けない。一方で、まだこの血統という価値観が広範に支持されているのも事実。議員やタレントに二世が多いことにうんざりしないのかな?2021/02/06

湯豆腐

2
かつての公家や大名といった名門特権階級が近代化に伴って再編成された華族、いかにも浪漫たっぷりで好まれそうな題材なのに意外と扱っている小説やマンガは少ないのでは。そんな華族の成立過程と、政権から丁重に邪魔者扱いされていたことが分かる一冊。エピソードが豊富なので飽きずに読める。2015/02/12

さとうしん

2
華族に関する総論ではなく、叙爵の基準や陞爵をめぐるエピソードに的を絞った論著。総論を期待する向きは中公新書の『華族』を読んだ方がいいだろう。諸侯の叙爵は明治の時点での現高を基準としており、戊辰戦争時に賊軍となった藩主の爵位が低くなったのは、賊軍だったからではなく、賊軍となったことで領土が削減され(=現高が減り)、その結果叙爵の基準に照らし合わせて低い爵位となっただけで特に他意は無いとのことであるが、そういう基準を採用したこと自体に他意を感じるのは私だけだろうか?2015/01/20

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