内容説明
書道一筋の内気な大学生・多摩子は、祖母の部屋で古びた簪を見つけた夜、春風と名乗る花魁の幽霊に取り憑かれてしまう。「本物の恋を見ることができれば成仏するかもしれないよ」という幽霊の言葉を信じた多摩子は、春風に体を貸して恋に悩む人の相談にのり、花魁の巧みな手練手管で恋愛を成就させることに。かくして妖艶な花魁と地味な書道ガールによる「最強の恋愛アドバイザー」が誕生した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aoringo
86
想いを残して亡くなり幽霊となった花魁と、書道一筋の女子大生が一緒に恋の悩みを解決する。気風の良い花魁さんかっこいい!大学生の恋なんて手練手管の彼女にとっては赤子の手を捻るようなものに映るのだろうな。人がいるだけ想いの数もある。花魁さんの解決能力はさすがだけど、そこまでに至るには廓で辛い思いもたくさんしてるのかと思うとちょっとしんみり。続編もあるようなのでそちらも読みたい!2022/06/11
papako
72
たまたま見かけて。なかなか楽しめた。書道の先生を目指して大学で学ぶ多摩子。祖母の家で見つけた簪で、春風という花魁の幽霊に取り憑かれる。春風が受ける恋愛相談を通して、それまで向き合ってこなかった恋に向きあうようになる多摩子。花魁の手練手管で、現代の恋をばっさり!春風さんの気風がいい感じ。恋に恋していた多摩子さん、本当の恋に出会えるのかしら?そして書道は文字は変わるかしら?おばあちゃんの恋が素敵です。テンポよくて読みやすく、学生さん達の恋も楽しい。読みやすくて楽しめました。次も手に入れなきゃ。2020/02/07
はつばあば
54
もうこの歳になると現実の世界より妖の世界の方がしっくりくるようだ。祖母の引き出しにしまわれていた簪に憑いていたのは花魁の春風さん。地味で大人しい、友人の少ない、恋に恋をするような多摩子に憑依した花魁は恋のカウンセラー。この本は若い人に読まれるべきだと思う。𠮷原で花魁をしたいた春風さんの恋の忠告?は、今の男女関係も上手くさばいてくれるでしょう。春風さんが本当に成仏したいのか・・お婆さんと仲直りをしたくても一度現れたのか・・2巻が気になります2019/07/20
はつばあば
52
再読。一年前に読了していたのですが2巻目を読むのに枯れた頭では再読の必要性を感じまして(^^;。今回はおばあちゃん・櫛田ユメさんに焦点を当ててみたいとお思います。大学生のお孫さんと暮らしていらっしゃるのですが、どう考えても私より若そう(笑)。廓言葉の春風に標準語のユメさん。私の方言ではキリリとしたおばあちゃんにはなれそうもない。その上・・う~んいくら惚れた人と結婚したからって3年で亡くなられるのは辛いなぁ。春風さんの成仏にどんな恋が役にたつのか。今の時代は恋に恋しているだけでホンマモンの恋はしてないのかも2020/09/28
さおり
49
Kindle Unlimitedで。ふと気づけば今月はUnlimitedで1冊も読んでないし、月イチテーマも読んでないし。というわけで、1度に両方が叶う本を探してこちらをチョイス。おもしろかったです、とても。続編があるのにUnlimited対象じゃないということ以外は、満足。花魁の幽霊にとりつかれた大学生(書道部所属、地味系女子)がひとの恋の悩みを解決しながら大人になってくお話。あとがきも良かったな。なんだか、瀬那さんのお人柄がわかる優しくて丁寧な文章やった。2021/02/11