集英社新書<br> 丸山眞男と田中角栄 「戦後民主主義」の逆襲

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集英社新書
丸山眞男と田中角栄 「戦後民主主義」の逆襲

  • ISBN:9784087207941

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内容説明

軍国ファシズムを告発した戦後民主主義の思想的支柱・丸山眞男と、憲法改正には目もくれず民衆の生活向上に邁進した“コンピューター付きブルドーザー”田中角栄。辺境の少数者や、共同体のはぐれ者まで含めた、庶民が担うデモクラシーこそ政治の根幹であるとし、戦争体験とその悔恨を原点に、戦後日本を実践・体現した二人の足跡を振り返る。右傾化への道を暴走する安倍政権が「戦後レジームからの脱却」を唱える今こそ、国家による思惟の独占を阻み、闘い続けるための可能性を問う、闘争の書。【目次】まえがき(早野 透)/第一章 戦争は罪である――丸山と角栄の二等兵体験/第二章 はみ出し者の民主主義――丸山学派と田中派/第三章 市民か庶民か有象無象か――丸山思想から角栄を解読する/第四章 精神のリレーと断絶――民主主義の実践者たちの系譜/第五章 民主主義の永久革命――「超国家主義の論理と心理」『日本列島改造論』そして未来へ/あとがき(佐高 信)/丸山眞男・田中角栄 対照年譜

目次

まえがき(早野 透)
第一章 戦争は罪である――丸山と角栄の二等兵体験
第二章 はみ出し者の民主主義――丸山学派と田中派
第三章 市民か庶民か有象無象か――丸山思想から角栄を解読する
第四章 精神のリレーと断絶――民主主義の実践者たちの系譜
第五章 民主主義の永久革命――「超国家主義の論理と心理」『日本列島改造論』そして未来へ
あとがき(佐高 信)
丸山眞男・田中角栄 対照年譜

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

89
私はこのような論点は嫌いではないのですが、少し世界情勢などをあまり勘案していない気もします。田中角栄が生存していたころの情勢などを考えると彼は一番いい政策をしていたのかもしれません。安倍首相も最近の情勢からすると安保改正は無理からぬこと、といえない気もします。ただ実体のないアベノミクスはいただけません。あれはマスコミと取り巻き連中があまりにも実体経済の動きを知らなすぎるために起きていることでしょう。この本は当時の分析としてのノスタルジー的な意味で読んでいます。山本七平さんの意見を聞きたいです。2015/10/25

おさむ

24
2人ともに大正生まれで、2等兵として軍隊を経験。だからこそ戦争は罪だという贖罪意識を持ち続け、上からではなく下からの地に足のついた民主主義を志向したのだという解説には膝を打ちます。早野さんが主張するように田中角栄の再評価がいま、必要なのかもしれません。2015/08/25

ちくわん

18
2015年7月の本。高校の頃、現代国語の評論文でお目にかかったか?丸山氏。方や総理とくればの田中角栄。昭和後期に製産された私にとって正に「国語」と「社会科」。平成(小泉・安部)VS昭和(丸山・田中)という構図。サブタイトルの通り戦後民主主義の逆襲。昭和のいい加減さは、憲法含め、いろんな人たちがなんとかまともな生活を送るための知恵。「美しい」国は、ウソと隠蔽がなければ、きれいに見えないおかしな国。懐古主義はいけないが、今の(これからの)危険を知るためにベースになる。「へ~っ」てなるネタ満載。2019/11/21

matsu04

15
興味深い対談である。「戦後民主主義を丸山眞男が知性によって提示したのに対し、田中角栄は肉体・存在によって表現した」と佐高が2人の魅力を語れば、早野も「角栄は理屈より行動で民主主義を実現し続けた点で、丸山的だ」とこれを認める。そうして両人とも、その後の日本の民主政治の後退を慨嘆、現政権を痛烈に批判する。2015/07/22

ひかりパパ

11
丸山真男と田中角栄は「戦後民主主義の体現者」であり、戦後的な価値の象徴であり、民主主義と平和を取り戻す戦いにおいて蘇らねばならないふたりであると佐高はいう。戦後の上半身を作ったのが丸山真男であり下半身を作ったのが角栄だった。丸山が知性によって戦後民主主義の原点を提示し、角栄が肉体と存在によって草の根という在り処を表現した。二人に共通するのは戦争体験である。角栄は金権政治で失脚したが、それだけでなく社会福祉、社会保障に大きく貢献した。70歳以上の老人医療の無料化、高額医療費制度の創設など。(続)2015/08/16

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