集英社コバルト文庫<br> 最後の王妃

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集英社コバルト文庫
最後の王妃

  • ISBN:9784086018807

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内容説明

【2015年度ノベル大賞受賞作】ルクレツィアは、15歳でアウガルテン王国の皇太子妃となった。しかし皇太子シメオンは一度も彼女の部屋を訪れることはなく、後日、シメオンがマリーという下働きの娘を愛していると判明。ほどなく国王が崩御し、ルクレツィアは王妃となった。そして側室となったマリーが懐妊。それでも王妃としての務めを果たそうと懸命なルクレツィアだったが、隣国に攻め込まれた王国は敢えなく陥落し…? 激動の時代を駆け抜けた少女の、運命と恋の物語!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐっち

30
面白かった!・・・けどコバルトの許容範囲について考えさせられた。15歳で皇太子に嫁いだヒロイン、だけど、池上紗京さんの4コマ通り、側室の懐妊・・・どろっどろで5年、隣国の侵略・母国陥落・・・から不幸のズンドコでまた5年。ページ数の半分も行かない内に、ヒロインが未亡人で25歳なんですけど~。もう一人のヒロイン・ティアナの過去も重いし。いやこれコバルトじゃない方がいろいろおいしい描写ができた気もするけど、不幸から這い上がるヒロインたちの頑張りがすがすがしかったし、まあいいか!ティアナサイドも読んでみたい。2015/11/02

幸音

27
タイトルに惹かれて。王妃となるための教育を受けて皇太子妃になった15歳のルクレツィア。夫だけでなく賢くない側室が最低。相思相愛の2人を引き裂く立ち位置になってしまうのが少女小説のヒロインとしては珍しかったかも。そのために前半のルクレツィアが不憫で、いつ幸せになれるんだろうと思いながら読んだ。ティアナの設定がヒロインよりも盛り込まれてると思ったら、あとがきによると元々は彼女が主人公の話だったとのことで納得。部下に色々暴露されたメルヴィンの片想いっぷりが微笑ましい。10年のスパンという物語が予想外だった。2015/10/31

サラ

20
不遇の王妃ルクレツィアの波乱万丈の半生を綴った物語。ヘンリー八世の妃アン・オブ・クレーヴスと境遇が似ている気がする。彼女を蔑ろにし続けた国王と側室には本当に腹が立って仕方がなかったので、二人の結末に溜飲が下がる気持ちだった。一方メルヴィンは出番こそ少ないけど、五年も思春期みたいな片思いを続ける一途ぶりが素敵。森での再会シーンは彼の思いが溢れ出ていて印象的。乳兄弟との掛け合いも面白い。だからこそティアナよりメルヴィンの出番を増やしてほしかった。彼女もいいキャラだけど、あれは脇役だからこその魅力だと思う。2015/11/05

みみずく

18
産まれた時から王妃として生きていくための教育を受けて来たルクレツィア。実際に皇太子妃となっても真面目にコツコツと自分の責務を果たす努力を続けている。でも夫たる皇太子にはずっと愛している女性がいて、しかも子供まで産まれる。それは素晴らしいことだけど、ルクレツィアの立場を考えると辛いし苦しかった。でも、愛されなかった王妃という風に自分を変に貶めることなく王宮の外にはもっと多様な価値観があるということを教えられて変わっていくルクレツィアが良かった。この作者さんの物語と気が合いそうな気がする。2018/10/14

punto

12
ヒロインが前半、なかなか不憫なので続きが気になり、すいすい読んでしまいました。国を明け渡してからより、その前の部分が面白かったです。コバルト文庫なのでそのあとヒーローのメルヴィンが出てくる訳ですが、コバルトでなければ別の展開があったかも。恋愛もいいけども、彼女の性格を考えたら人の役にたてることの方が重要ではないかなあ。個人的には実家の力を使って宮中を掌握する展開でも楽しめたと思う(笑)。切なくロマンティック、というよりは大河浪漫という面白さだった。2017/02/01

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